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slip into chaos - 日々録(2001年11月)

2001年11月1日(木曜日)

今日のCD:CURVE「GIFT」

会社で。

自分の席の隣の空いていたところに人が移動してきたのだが、この人が大変な貧乏ゆすラーなのである。

凄まじく仕事の早い人なのだが、席についている間中がたがたがたがた。地震なのか貧乏ゆすりなのかわからないくらいにがたがたがたがた。

で、このグルーブ、何かに似ているな……と思ったら、最近よく聞いているCURVEの「GIFT」というアルバムだったというわけ。

このCURVEというグループ、UK出身らしいのですが詳しい事はさっぱりわからず。音は打ち込み系で、控えめながらもちょっといい感じの女性ボーカルがまったり乗っています。

オフィシャルサイトではFlashを多用していますがこういう使い方は面白いな。

http://www.curve.co.uk/

2001年11月2日(金曜日)

THE MAD CAPSULE MARKETS 010 TOUR 01-02 in SHIBUYA AX

うーん。

まさかマッドのライブでこんな思いをしようとは。

今年6月、渋谷クアトロで見たマッドはあんなにかっこよかったのに。

新作「010」発売を受けてのツアー初日、アルバムそのものについては「まあいいんじゃないの?」くらいに思ってましたが、それは「だってライブだと別物になるからね」という期待があったからで。

マッドのライブと言えばそりゃもうかっこよくて、元々の曲がかっこいいというのもあるけれど、それ以上にライブならではのパワーというのが物凄くて、アルバムの中では地味な存在の曲こそがライブで全然違った表情を見せるという、まさにライブでなければ得る事の出来ないがつんと来るものが身上だったはず。

ところがどっこい、フタを開けてみれば、なんだこれ、っていう虚しさが残るばかり。

「010」からの曲はアルバムまんまになぞっている感じ、そこへ前作「OSC-DIS」やそれ以前の曲が挟み込まれる段に至っては「取り敢えずのっとけ」みたいな予定調和でがっくり。

ライブ全体の流れってのがなくて、楽しくない。

変だな変だな、マッドのライブなのにこんなの変だな、って思いながら最後まで聞いていましたが、肩すかしを食らったような気分で、いつもなら殊の外おいしく飲めるはずのビールもさっぱりおいしくない。

弟妹も同じ感想だった様で、お互いに顔を見合わせて黙ってしまいました。

これ、ツアー重ねていくうちに変わるんだろうか。あさっての熊谷はどうなんだろう。

ああ、未だに自分がマッドのライブに行ったなんて信じられない、そういう後味のなさです。

2001年11月4日(日曜日)

THE MAD CAPSULE MARKETS 010 TOUR 01-02 in 熊谷VOGUE

ダメならダメで暴れて楽しむしかない、そういう気持ちで臨んだ今日のライブ。

まずは一番後ろの壁際に陣取り、ジントニックを飲りながらじっと待つ。

この熊谷VOGUEというハコ自体は好きなのだ、こじんまりしてて適度な距離感。前回のツアーではKYONOのヘルニアというアクシデントによりツアー終了後に公演が延期されたいわくつきの場所。あの時の、待ちに待ったライブは良かったなあ。

はてさて今日もこないだと同じように始まり同じように進んでいくライブ。よし、わかった、こうなりゃ暴れたもん勝ちだあね。「010」からのトランシーなナンバー「雲 -kumo-」が始まると、そばにいた二人連れの女の子達がいきなり手踊り(ビジュアル系でよくあるアレ)を始めたのでこりゃたまらんとばかりに前方へ。このあとは「OSC-DIS」からのナンバーが続くんだもんね。

しかし、ここで少々前に出過ぎた事に気付いた時にはもう遅かった。「RESTART!」のイントロが響くや、四方八方からの肉弾攻撃。頭の上に乗っているのが人の足なのか腕なのか股間なのかわからないむちゃくちゃな状況、しかしここで潰れては周りの迷惑、両足踏ん張ってもみくちゃになりながら頭上のダイバー達をひたすら前に押しやるので精一杯。音なんて聞こえません。呼吸も出来ません。意識が遠のきそうになりかけた瞬間、ようやく目を開けて前方を見ればそこには茶髪の天使が笑顔で歌っている。ああ、最近の天使は羽の代わりにベース持ってるのね………マジで彼岸を見たかと思いました。

「GOOD GIRL」と「ALL THE TIME IN SUNNY BEACH」が終わった後は後方に避難、あとは最後まで適当に踊ってました。

結局、AXの時とセットリストは変わらず、グルーブにもさしたる変化はなく、大丈夫かなあマッド、という危惧も変わらず。行く所まで行っちゃったマッドの明日はどっちだ。

2001年11月6日(火曜日)

今日のCD:Brian Eno「NEROLI」

ここ最近、精神的に不安定な状態が続いている。仕事中に叫び出しそうになったり泣き出しそうになったり、そんなことになってはいかんと必死で自制しているが、自宅ではどうにもならず、布団に入ればろくでもない考えばかりが浮かんできて眠れない。

ちょっときつめの酒でもかっくらってぶっ倒れる様に眠るという手もあるが、それではいかにもダメ人間という感じがして自分で自分を許せない。

こういう時に聞くのがこのCD。

そもそもは櫻井さんが何かの折りに紹介していたので知ったのですが、その名の通り、良く眠れるCDです(ネロリとはみかんの花から取れるアロマオイルの名。緊張を和らげリラックスさせる効果があるそうな)。

1枚のCDがまるまる1曲、58分にも及ぶというシロモノですが、茫洋とした音がひたすら流れ、いつの間にか眠りに落ちて行きます。

どっちみち、酒の代わりに音楽の力を借りてるだけじゃん、というツッコミは不可。おかげでアルコール依存症にならずに済んでいるのだから。

CDNOWで試聴が出来ます。

http://www.cdnow.com/cgi-bin/mserver/SID=998138439/pagename=/RP/CDN/FIND/album.html/artistid=ENO*BRIAN/itemid=158786

2001年11月8日(木曜日)

BUCK-TICK「21st Cherry Boy」PV

新曲のPVを送っていただいて見てみました。

映像を見ずにまずは音だけ。

ああ………暗いんだか明るいんだかよくわからんのう。曲は限りなくポップというか、どうにもこうにも笑えてしまうのに、どうしてボーカルはこんなに固いの? どうして無理やり神だの悪魔だの持ち出して暗黒方向にひん曲げようとするの? 「俺もお前も一人だ」とか言って、この手のお話はもう聞き飽きました櫻井さん。1コーラス目からユニゾンでコーラス入れるのも好きじゃないなあ。「フッフー♪」とかコーラス部分だけ聞いてる分には楽しくていいんだけどなあ。

で、PV。先に見た弟によれば「すんげーださい」との事で、一切の期待は排除して見たものの………ああ。今時、用もないのにピーマンだのトマトだの踏んづけて何が楽しいんだ? ダンシングのおねえさん達はお仕事一生懸命という感じでメンバーとの温度差がありありで何だか見ていて辛くなってくる。でもって、どうして櫻井さんはこの期に及んで黒づくめなの? 今井さんがこれだけはっちゃけてるのに、口紅のひとつも塗ってくれたってバチは当たらないでしょうに。おまけにユータさんよ、あなたはどうして髪を立てなくなっちゃったんだい。可愛さとかかっこよさとか、間違ってやしないか? アニイをご覧なさいな、ちゃあんと髪立ててかっこいいなあ。ああもう、何がかっこ悪いって、牛乳パックにMILKって書くなよ! どうせぶちまけるならもっとがばーっといかんかい、がばーっと。今井さんだけ見てる分には非常に楽しいPVなのですが。

これ、ただ物を壊してるだけならそれはそれで面白いかも知れないけど、そうじゃないんなら演奏シーンだけの方がよっぽどいいと思うな。Nicci Keller氏が撮ったら面白かったかもね。

(Nicci Keller:BUCK-TICK「BRAN-NEW LOVER」のジャケット写真を撮ったカメラマン。THE MAD CAPSULE MARKETSのPVなども手がける。http://www.avgvst.com/profile/007niccikellerprofile.htm

2001年11月11日(日曜日)

日曜日。のろのろと昼頃起きてきて新聞のテレビ欄を見ると、テレビ東京に昼間から「ナインハーフ」の文字。うおう。この映画大好きなんだよな、エッチでお洒落でたまらなく切ないの。音楽がいいんだこれがまた。でもなんでこんな昼間に……と思いつつ見てみると、ああもう。いいところ(エッチシーン)は全部カットされBGMもずたずた。ユーリズミックスの曲をバックにキムベイシンガーが一人で絶頂に達するところなんてかっこよくてすごく好きなのにい、これじゃいけねえだろうが!

こんなにずたずたにしてまで日曜の真っ昼間に放映しなきゃならん理由はどこにあるんだい、テレ東さんよ。

2001年11月13日(火曜日)

コロちゃんついにローソンを提訴

http://www.kahoku.co.jp/news_s/20011112KIIASA44410.htm

9月25日の日々録で書きましたコロッケチェーン店のコロちゃんがついにローソンを提訴しました。

ローソン側は謝罪文を提出したにも関わらずのこの決断、本気だぜコロちゃん。

2001年11月19日(月曜日)

Backstreet Boys東京公演を見て詠める

A.J.の闘魂はちまき似合い過ぎ

そんなわけでBackstreet Boys。どうにもこうにも気になっていた彼等の初来日公演の初日に行ってきました。

仕事を定時に終えて東京ドームに辿り着いたのは開演時間の5分前。やはり仕事帰りと覚しき人達で会場周辺は文字通り長蛇の列。これでいきなり時間通りに始めやしないだろうなと思いつつも気が気ではない。ようやく入場し、物販に目もくれずアリーナへまっしぐら。場内整理のお兄さんの中でもひときわかっこいいナイスガイに声をかけ(基本だよなあ)自分の席に付いたのは18:40、どうやら始まる気配はないのでここでやっと一息。アリーナC6ブロックという事で、ステージに向かってやや左側、BUCK-TICKでいうところの今井側である。思ったより遠くもなくステージ全体が見渡せそうでいい感じ。

ステージは鉄骨をがすがす組んだ感じで後方には丸い鏡の様なスクリーン、ステージの両脇にもスクリーン。カメラが何台か入っていてクレーンも動いている。

周りを見てみると、意外に男性が多いのに気付く。カップルも多いが、男同士2〜3人というのが結構いるのだ、これは意外。客層は10代が多いのかと思ったが、実際見てみると20代の女性が多い感じ、でもかなりいろんな層がいる。親子連れもちらほら見かけるが、お母さんに連れられて無理やりというのではなくて親子共々ファンという感じの人が多い(それだけ年齢層が高い)。おしゃれさんよりどんくさい感じの人が多いとも感じた、自分もだけど。

で、なかなか始まらない。客入れに時間がかかっているのだろう、仕事帰りの人が多くては無理もない。

と、19:00ちょっと前、それまで鳴り続けていたBGMがフェードアウトもせずにいきなり止む。落ちる照明。これにはびっくりした、が、これからがまさにびっくりの連続なのである。

ここからしばらくは何も起きずにだんまりのまま、と、周りの人が後ろを見てうわーと言っているので何かと思ったら、会場中でペンライトが光っているのだ。スタンドもアリーナも、ドーム中が青や緑や赤い光に揺れている、これは何ともきれいきれい。ステージから見たらさぞかしきれいだろうな、なんて思ってたら、轟音と共にスクリーンに映し出される隕石。これがひとつひとつ実際に落ちてきてはずばーんと飛び散る火花、物凄い音、すんごい特殊効果。これが一個や二個ではなく、数えきれないくらいがんがん落ちてくる。やがて、ごうごうという音が強さを増し、ステージに5本の火柱が上がったと思ったらそこにはメンバーの姿が。すげー! そこから2時間、歌いまくり踊りまくりの息をもつかせぬ一大エンターテインメントショー。

ぶっちゃけた話、この人達をかっこいいとか素敵だとか全然思わないのだが、あまりにも誠実で素晴らしいショーなので心底からハッピーな気分になってしまうのだ。踊りだってうまくはなくて、身体の大きなKevinが一生懸命踊っている様などは涙ぐましいと感じるくらいだ。が、その一生懸命さに心打たれてしまうのだ。

そしてやはりこの人達の良さは歌にある。アップテンポの曲もバラードも、どれも見事なハーモニーで、5人それぞれの個性が存分に味わえて何とも嬉しい。そう、このコンサートの間中、とにかく嬉しい気分で一杯。

曲の合間にも、2050年のメンバーの姿を演じたコントみたいなのが上映されたり、着替え中のすったもんだの様子が映し出されたりと、とにかくお客さんを楽しませようとするアイディアが盛り沢山で、そのひとつひとつにありがとうと言いたい気持ち。途中、メンバーそれぞれが行っている社会活動についての説明があったり、こういうのを照れずに言えるってのはお国柄だよなあと感心したりもする。

終盤、A.J.が闘魂はちまきを頭に巻いて出てきた時にはあまりに似合い過ぎていて、そのサービス精神に感謝しながらも涙が出そうだった。この人は、肉親を亡くした事からくるアルコール依存症とうつ病の治療に専念するためしばらく施設に入っていたそうだが、こうやってみんなを楽しませて自らも楽しんでいる姿を見ると、心からありがとうと言いたくなる。A.J.はステージを降りてアリーナのお客さん達の手をとっていた、その姿も嬉しかった。

バンドのメンバー(あまりにかっちりした演奏なのでテープじゃないのかと思ったくらい)やダンサー達もひとりずつメンバーから紹介され、それがまた個々のメンバーらしさに溢れたもので気持ちがいい。

そんなわけで、終始笑顔でハッピーだったコンサート、こんな思いをすることはそうそうないだろうなと思いつつドームを後にしたのでした。

2001年11月20日(火曜日)

今日のCD:BUCK-TICK「21st Cherry Boy」

12:00のチャイムと共に会社を飛び出しバスに飛び乗りCDショップへと向かう。連日22:00過ぎまでの残業生活、こうでもしなければ発売日にCDをゲットすることが出来ないのだ。

予約はしていたものの、店頭でどう扱われているかが気になるのでまずは新譜コーナーをチェック。………ああ、あるよ、ちゃんと並んでるよ。でも目立たないなあこのジャケット。予約票を渡すと、おまけのポストカードが出される。ふむ、やはり表は櫻井さんね。あんまり浮き立った気持ちにならないのは何故かしら。帰りのバスを待ちつつベンチで食事。菓子パンをぱくつきながらも頭は新曲の事でいっぱいだ、カップリングはどんな曲だろう。

バスに乗り込み、ちょっとだけ見ちゃおう、とポストカードを開封する。うーん、櫻井さん、でこちん。あら、ヒデさんてば相変わらずすかしてるわねえ。と、次を見たところで「ふごっ」とかいう変な音をたててしまった。い、今井さん、ハラ出てますがな………ちょっとたるんじゃあいるがそれが余計に生々しくてたまらん。今井寿36歳、へび年、ヘソ出してます。あああああ。このまま午後は挙動不審人間に成り果てる。

18:00過ぎ、休憩をとってやっとCDが聞けるよ………と思った瞬間、なんでこういう時に限って次から次へと人がくるのさあ、アンタらわざとだね? と涙目になりつつも対応、結局会社ではゆっくり聞けず、家に帰るまでお預け。

で、感想。

「21st Cherry Boy」は櫻井さんの妙なリキの入り方が気に入らず、曲だけで楽しもうと割り切る事に。

「薔薇色の日々」は、最初「COSMOS」みたいだなとかラルクみたいだなとか思った。捉えどころのない情景の中に”歩こう 俺はあなたの前を”というフレーズが敢然と突き刺さっていてはっとする。これだからこの人(櫻井さん)はわからない。

ジャケットは、折り返した所の横顔の方が好きだなあ。中にアー写を入れるのには意味があるんだろうか、よくわからん。

クレジットに、ちょっとびっくりするような名前を見つけて興奮するも誰に言っていいものかわからないのでひとりでじたばた。曲そのものよりも、こっちの衝撃の方が大きかったかも知れん。只の勘違いだったらバカみたいだが。

おまけに、来年のツアーの予定がファンクラブから届いた。

………なぜに締め切りが今月29日なの………12月の会報で発表、締め切りは年明け、と踏んでいたのに………甘かった。しかも日程がきつい(何ヶ所行く気だ)。どうしてくれようバクチクめ。とは言いつつも、結局はメンバーとスタッフのみなみなさまに餅代を献上する事になるのだろうなあ。くー。

2001年11月23日(金曜日)

目を覚ますと時間は17:00。しまった、今日は熊谷で山嵐のライブだというのに完全に寝過ごしてしまった。

あまりのショックによろよろしつつも昨夜録画しておいたviewsic「dj moon Pol & Talbo Selection」を見る。

お月さまの映像をバックに流れる佳曲の数々にマターリした気分になっていたのが、いきなりBUCK-TICK「21st Cherry Boy」のCMが流れたので目の玉が口から出そうなほどびっくりする。思わず「びっくりした〜」と口に出してしまったほどびっくりだ。ライブの告知でもなく、純粋にCDのCMというのは初めて見る。あーびっくりした。

2001年11月29日(木曜日)

今日のマンガ:青池保子「修道士ファルコ2」

ちゃんとした物語を読むのは気持ちがいい。

きちんと構築されていて、丁寧に伏線が貼られてあって、人物の動きやセリフにしっかりとした意味がある、そういう誠実な物語を読むのは大変気持ちがいい。

後書きによれば、「修道士ファルコ」のコミックスが出てから9年が経つそうだが、ファルコを始めとする登場人物達は9年のブランクをものともせず生き生きと動き回り、何とも言えぬ快感を与えてくれる。

青池さんの描く物語がこんなに気持ちいいのは、それが単なる絵空事ではなくて、しっかりとした取材に根付いた創作であるからかも知れない。

実際にその場所に赴き、当時の人々が過ごしたであろう空間に触れる事で物語は深みを増す。

こんなに心地よい物語に出会ったのは久しぶりだ。

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