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slip into chaos - 日々録(2009年5月9日)

BUCK-TICK TOUR 2009 memento mori 神戸国際会館こくさいホール

午後5時半。こくさいホール前に佇むオイラに次から次へと浴びせられる「なんでここに」「次の予定は6月だったんじゃ」の声。うう。すいません。こないだ栃木行く前に神戸の手配済ませてました。だってっ。あっちゃんがっ。あっちゃんが毎日夢に出てくるんだもんっ。もー、初日の川口見て以来毎晩毎晩、「もう俺に興味なくなっちゃったんじゃなかったのお」と言わんばかりにこれ見よがしにっ。

わかった。わかりました。降参します。めろめろです。大好きです。許して下さい。神戸行きますから。というわけできちゃった。

ぴあで普通にとったチケットは3階の1列目。こういう機会もなかなかないんで、余裕綽々で高みの見物、のはずだったんだがこれが思わぬラッキーでしたわい。3階でよかった。後方はがらがらだったけど、1階や2階は殆ど埋まってるように見えた。2階3階の両袖に張り出したところが4〜5席くらいのボックスみたいなのがちょいちょいと連なってて、なんかシアトリカルな雰囲気の会場。シアトリカルな会場ってなんだ。でもそんな感じ。

開演は多分20分押しくらい、客電が落ちて薄い黒幕が上がってSEが出るまで妙な沈黙があって緊張した。あれはなんだったんだろう、みんな息をのんでステージを見守ってたのかしら。オープニングの演出はこれまでと同じ、あー今日もあっちゃんはあの中でずーっと待ってるのかあ…あの中からってどんな風に見えてるんすかね。

今日のあっちゃんは赤い帽子に赤いコート、飛び出さずに余裕持って出てきた。ああ、今井さんの頭がなんか変、ありゃ帽子だお、黒いシルクハット風の帽子に黒っぽい羽飾りがついてるお。うっひょう。今井さんのかぶりもの好きー。今回のツアーっつーか最近の今井さんてばやけにぴしっと決まっちゃった頭で、それはそれでよござんすのですがもっと自由に今井的な臭いのする方が好きなのだわ。これはまた怪しくていいわねえ。帽子取ったら髪の毛結んでなかったしオッケーオッケー。他の人はわかりませんすみません。

で。なんでだかドラムの音が聞こえない。アニイいるよな、ドラムあるよな、叩いてるよな、ってしっかり確認したけど全然聞こえない。位置の関係なんだろか。ううーむ。これではノるのが難しいぞ。ベースとかボーカルとかしでしこさんのギターとか聞きながらなんとかリズムを手探りで掴む感じ。みんな普通に演奏してたから、あの位置だけぽっかり聞こえなかったんだろな。

真っ赤な夜からアンファン、おおっと今井さんボーカルに間に合わず。珍し。でも足はやたらと上がってるぞ。あっちゃんもえらい元気。骨までしゃぶっていいわよお。あれ、あっちゃん髪結んでる。そんなに長くないのになあ。今日暑かったもんなあ、って関係ないか。綾小路きみまろ状態だと思っていただければ間違いありません。結んでるのにぶんぶん頭を振るあっちゃん、振り具合を確認しているのか? これ、このあと曲中にほどいたんですが(一度じゃほどけなくて結構ふんふん粘ってやっとほどいた)、ゴムじゃなくて黒いリボンだったのかしら、ほどいた後に手に持ってたのが昆布みたいでした。

ベイビーが終わって曲の合間にあっちゃんがなんかしゃべってるんだけど聞き取れない…今日は総じてよくしゃべっていたんだけど何を言っていたのか…結構笑いが起きていたので何か愉快な事ではあったようです。

「モーテルぅ…さーあてぃーーーんんん」てな感じで始まったMOTEL13(こういう曲名だったんだな)、センターモニターに跨がりーの腰振りーのでしたが今一つエロくはない。何故だ。あっちゃんがなんか健全モードなんだよなあ、前みたいに近くにいるだけで妊娠しそうな、ああいうヤバげなエロオーラじゃなくて明るめの元気よさ。体育会系のエロっていうかな。そんな感じ。でも一生懸命やってるやってる。この時もうドクロを手に持ってたような気が。出番早くなったね。

この次がアンブレラだったかしら、「アンブレラ!」って元気よく言ってた気がする。マイクスタンドに赤いコートをかけてふんふん持ち上げています、これ、傘に見立てているのかしらん。でもどっちかというと出初め式です。あっちゃんの出初め式。めでたい。

そして小芝居の時間。なんだか知らないけど演じてます。すげえなあ。どうしても普通に「勝手にしやがれ」とは言いたくないらしい。あっちゃんかわいいよあっちゃん。「大好きさ本当さ」の時、前列で手を伸ばしてたお客さんの手を取りやがった。んまー。と思ったら、「真っ赤な嘘さ」のところでぺいっとそれを振りほどきやがった。ひでえ奴だな。まったくよう。なんて事するんだい。と思ってたら、曲が終わって暗転する時にすすっと前に出て行ってさっきのお客さんとこで「ゴメンね」みたいにしてまた手を取って。ンモー。あんたって人はっ。律儀なくせに半端にはすっぱな事するからっ。でも変わったよなー、こうやって自分が構ったお客さんのフォローなんかちゃんとするなんてなー。オイラなんかやられっぱなしだったぞ。…わかってるの、オイラなんてあっちゃんの舌の上を通りすぎて行ったあまたある女のうちの一人っつか珍獣のうちの一匹でしかないって。あっちゃんべろべろに酔っぱらっててまともじゃなかったし。でもだからって前戯だけでほっぽり出すなんてヒドいわ。是非責任取って最後までやって下さい。よろしくお願いします。

「みんなが天使です」とか言ってメッセージ。うーん。眠ってる天使には愛おしげに、目覚めた小悪魔にはうへえって感じで手を焼いて。何この当て振り。かっわいいなあこの人…あんたが天使だってばよ。

それでういういとSEが流れて火の玉がぼふぼふ飛んでメメントモリでしたねえ…ここで今井ちゃんが角付きお面を被っていたんだよ。あれです、前に会報の表紙になってたりSCHWEINのPVで被ってたやつだと思われます。どうしたんだ今井。と思ってたらなあ。

間奏のとこで、今井がなんかのメロディ弾いてるお、と思うが早いか涙がぶわっと出てきて、あれっと思ったらRCのスローバラードだった…今井…今井…あんたいい男だな今井…キヨシローさん、あなたのファンがここにもいますよ…あ、今井ひょっとしてそのお面、まさか。こういう時どんな顔をすればいいのかわからないの? 泣いてもいいと思うよ。オイラは泣きました。愛し合おう。人生は愛と死。あっちゃんがとても堂々とね、歌ってくれた。

このあたりまでは割と覚えてるんだけどここから先の曲順がさっぱりわからないので思いつくまま。

カーニバル。あっちゃんwithドクロ。「灼熱の砂を噛んで」で砂をすくって噛む仕種。っかー。そして間奏、客席に背を向けてギターを弾いてる今井に向ってステージやや後方からにじりにじりと狙いを定めて近づいていくあっちゃん。なにごと。と思いきや、「あなたは愛に溢れ強く深く愛されてる」と歌いながら今井ちゃんの頭をやさしーくなでこなでこ…なんだあそりゃああ。…なんなんだ…いきなり今井が愛しくなっちゃったのか…ラストの「愛し合ってさあ笑って」の時も今井の肩に手をかけて、やさしーくやさしーく。…これ、ひょっとしてメメントモリで清志郎さんへの追悼の意を表した今井へのいたわりなのでしょうか。違うか。でもなんかとてつもなく意表をつかれてびっくりした。この時に思ったけど、あっちゃんが近づいていく時の今井さんはなんだか全身に緊張が走ってるように見えます。「きたよ」みたいな感じで身構えてる。「やっべロックオンされてんよ」って感じで。対してしでしこさんの場合は確実に腰が引けている。そうするとあっちゃんも「あれ、やなの」みたいな感じですっと引くんですな、時々ノリノリになっちゃってるとお構いなしにがばっといっちゃうけど。どっちにしろあっちゃんにとっつかまったら後はもうなすがままされるがままなんだけどな。あれ、絡まれる方が大変だよなあ。

その張本人は一人でもイけます。何の曲だったか、モニターに乗ってノリノリのイケイケ状態になってたあっちゃんがバランスを崩してあわわっとなって、あっこれは落ちる、と思ったらそこで「これは逆らわずに素直に落ちるべし」とでも悟ったみたいにふわーっと横に落っこちてコロンとうまーいこと転んだんだ…それはもう見事に。流れに逆らわずに肩の力を抜いて。あっちゃんてばいつの間にそんな境地に。マイクはしっかり大事に持ってたので、そのまま仰向けに寝っ転がったまま歌ってて。寝っ転がりあっちゃん久しぶりー。でもなんなんだろう、以前のようなひりひり感が全然ないのよ。全然大丈夫なのよ。ちゃんとしてるのよ。あっちゃん、大人になった…今や頼もしく見えるよあっちゃん。おばさん嬉しいわ。ほろり。ところがだ。曲が終わってあっちゃん、てへっみたいな感じで何度か膝をはたくようにして、その手のひらを上に向けて「ふっ」とホコリでも吹き飛ばすようにしてみせて。なんですかそれは。この時何かごにゃごにゃしゃべってたのですが後から聞いたらどうやら「お見苦しいところを」って言ったらしい、それでお客さんがどっとウけてて。で、そのあと、両手をアメリカンな感じにちょっと拡げて、「キニシナイ!」って言った。

(゚ε゚)キニシナイ!!

ミスったけどなかった事にしてというときに使われる。

そっか、あっちゃん、(゚ε゚)キニシナイ!!覚えたんだね…成長したんだね…はっ。ひょっとしてこの一連の落っこちイベントは、(゚ε゚)キニシナイ!!を覚えたあっちゃんがそれをみんなの前で披露すべく仕組まれたメトロの夜のブルジョアジーなんじゃ。いや、あっちゃんはそんな策士じゃない、敦司です。いやしかし、3階からほんとによく見えたんですわこの一部始終。あっちゃんって酔っぱらってる時は動きがどたどたして体が重たそうだけど、そうじゃなければ案外柔らかいのかも。そう、今日は軽やかあっちゃんだったわね。飛び出すあっちゃん。羽ばたくあっちゃん。転がるあっちゃん。ああもうどないせえっちゅうんじゃ。

あと、3階からよく見えたのが、立ち位置とか機材の置き場所に目印をつけておくバミリってやつですか、モニターなんかのところには白でついてるんだけどあっちゃんの立ち位置、センターは赤なんですね。で、あっちゃんは本当に几帳面にきっちりその赤いバミリに合わせて立ってるんですわ。マイクスタンドを立てたり取っ払ったりあっち行ったりこっち行ったりとステージ上のあっちゃんはとても忙しく動きまくっているのだけど、前に出てくる時はいつでもきっちりあのマークに合わせてる。そりゃもうきっちり。無造作に置いたように見えてたマイクスタンドや椅子やあっちゃんの足の位置、そのどれもが見事なまでにぴったんこ。凄いよあっちゃん。どんだけかわいいんだあっちゃん。ああもうこんなん見ちゃったら愛しくて愛しくてしょうがないわい。照明の都合なんかもあるんだろうけど、とにかくあのきっちりっぷりは見事だ。見事です。

あ、今回変わったなと思ったのがセレナーデの前。新しいSEですかね、もやもやした音とセレナーデ〜みたいな声とで。グッズだけじゃなくライブ本編もどんどん追加されていきますなあ。面白いわねえ。ん、セレナーデ終わり、ちゃーんちゃーんって曲が終わったその時にあっちゃんが。あっちゃんがっ。膝をちょっと曲げて、両手の手のとこだけちょびっとだけ上げて、ちゅんって感じでなんつーの、おしゃまな女の子がするみたいなお辞儀。なんだよそれえええええなにそんなにかわいいことしてんのおおおおお。ああもうおかしくなりそうだ、十分おかしいけど。まだだ、まだ終わらんよ。

登場してきた今井ちゃんが手をちょちょっと振ってる。アンコールはアリスから。あっちゃん、杖のぶんまわし具合が半端ない。小道具使わせたらこんなにうまいボーカルいないよ。今日も手拍子だらけです。ほんとに今回手拍子多いですね、「えー」みたいなのもあるけど。コヨーテのあれはどうなんだろう。こうなってしまった以上もうしょうがないだろうけど。あっちゃんぶち壊しだよと思うんだけど元気よくやってるからなあ。で、次が何故かスパイダー。うーん。なにゆえ。そんでもってびっくりNational Media Boys。思わずひゃーと言ってしまったよ、聞きたかったの。ウレシス。ここでもぱぱんと手拍子だ、ええもういくらでも打ちますともっ。

アンコール2回目はGALAXYから。ハートにピース。フレッシュプリキュアかっつの。あっちゃん、歌いながらあっちこっちのお客さんにタッチタッチ。うんうん。嘘をついたっていうのはあっちゃんの優しさだ…。そんで、次の曲…あれ、なんかこれ、あれっぽいぞ?っていう音がなんかしてて(今井のギター?)、まさかーと思ったらアイコノだった。うはー。アイコノやるんだあ。なんかダブルアンコールってだけでも凄いことなのになあ…それもこんなにいっぱい…凄いなあ。そのあと、あっちゃんがありがとうとかいろいろしゃべってて、おもむろに「ドラムス、ヤガミトール!」って言ってドラムがどんどこ言って(この時ばかりはさすがに聞こえた)、あ・あ・あって思ったらLOVE ME。ああああ嬉しいようう。もうさっきから手が挙がりっぱなしですがな。なんかもう大サービスだなあ。嬉しい…ほんとに嬉しい。

なんかもう今日ほどあっちゃんがかわいいと思った事はなかったし生きててよかったとしみじみありがたく思った事もなかった気がする。不思議だ。なんだろうこの感覚は。あっちゃんだけでなくオイラも変わりましたか。どうなんだろう。考えたってしゃあないな。これでいい事にしよう。結果オーライ。

ところであっちゃんのヒゲ、だいぶちゃんとしたヒゲになってるんですね。白髪まじりだけど。最初はカビレベルだったけど。あっちゃんはカビあっちゃんに進化した!カビあっちゃんはヒゲあっちゃんに進化した!ってところですか。どこにいけばゲットできるんだろう。普通のモンスターボールじゃダメかな…ぞくせいはなんだろう…まおうポケモンでいいのかな…弱点はなんだろう…(←だいぶ病気なのでそっとしといてやって下さい)

総じて元気丸出しのあっちゃんでしたが行ききるまでは行ってない。凄くセーブして、コントロールしながらやってる印象、冷めてるのではなくてね、とてもちゃんとしているの。ほんとに大人になったよね…あっちゃんがしあわせだとこっちもしあわせです。あれか、しあわせは伝染するってやつか。これならいくらでも振りまいてくれ。感染感染。免疫できないよ。強力。毎回違う型です。最強じゃないか。

今日はステージが広くて幅も奥行きも結構あって、ここをかっけり回るのは大変だろうなあと思っちゃった。奥行きだけでももうちょっと狭かったら動きが違ってきてたろうなあ。でも狭けりゃ狭いで大変なのか。あの奥行きのおかげで今井ちゃんにゆっくりにじり寄れたんだし。

日程を見返して見たらまだ半分いってないんですね。なのにこの急上昇っつか急勾配ぶりはどうだ。もはやあの初日のギコチナサーズはかけらも見当たりません。うーん、これから先どうなっちゃうんだろう。ああ見たい。もっと見たい。ちっきしょー。待ってろよ。いっぱい行けない分、行けるところでは容赦しないんだからな。って何をだ。ああもう。やっぱり面白いのよこのバンド。うひー。

【5月11日追記】

スズメバチ、「ヤルことは同じだな愛の巣の底は」のとこでえらく自信たっぷりつーか一見エラソーというかちょっとふんぞり返っているようにすら見えた。非常に堂々として。こんな歌詞のところでそんなに堂々とされても。でも、所詮やることなんて一緒だよなという自嘲気味な空気も含みつつ、わかっちゃいるけどやめられないのよね的な、なんもかんもわかった上での諦念と許容みたいな、そんな感じがしたなあ。40歳過ぎなきゃ書けないし歌えない歌だ。ハートは童貞だけど。考えすぎだがな。妄想上等。でもね、ここんとこのあっちゃんの声好き。気持ち良さそうでね。そうやってあっちゃんを気持ちよくさせてくれる今井ちゃんに惚れる。

なんつーか、今井の歌詞をあっちゃんが歌うことの醍醐味つーか、その白眉を見たような気がした夜だった。こういう楽しみ方をおぼえると…たまらん。

【5月17日追記】

モニターからおっこちた後、その曲の中でだったか次の曲だったかで果敢にもまたモニターに乗っかったあっちゃん。おお、チャレンジャー。が、その右手にはしっかりとマイクスタンドが握られておりました…杖がわりか。同じ過ちを繰り返さないようにする配慮。「キニシナイ!」とは言ってても実は気にしてたんだね。ほろり。あっちゃんかわいいよあっちゃん。

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