■2010年10月12日(火曜日)
先日twitter界隈で「頭を打って美大生」というテーマが話題になっていた。発端は以下のツイート。
[雑談] ある心理学の研究者が都内の一般大学と美術大学であるアンケートをしたという。質問は 「あなたは子供の頃、頭を強く打った経験はありませんか?」というもの。結果が凄い。圧倒的に美術大学の学生の方が頭を強く打っ ていた。打ってるんだよ、美大生は、頭を。 (富士日記 2.1)
上記ツイートが参照しているのは富士日記 2.1というサイトの2008年4月18日の記述。
(前略)
■さて、先週の「サブカルチャー論演習」では、「関心領域マップ」というものを作ったのだった。じつはこれは、多摩美のクラスでもやった。縦軸を時間、横軸を社会的位置として、中央に、タテとヨコの線がひかれてある。つまり、一枚の紙を二本の線で四つの領域にわけるような感じだ。上に行くほど現在に近くなり、下にゆけば過去になる。右側は「マジョリティ(=多数派・メジャー)」で、左は「マイノリティ(=少数派・マイナー)」という図。そこに各人が関心を持つ事柄を記入しマッピングして行く。その位置は各人の主観になるが、現在であり、マジョリティというか、メジャーって言っていいか、そこにはたとえばある学生は「インターネット」という言葉を配置した。そうやって何人もの学生のマッピングから特徴的なものを拾い出し、総体的な「関心領域マッピング」を作成したのだった。で、早稲田と多摩美で実施し、二枚の地図ができた。それを比べるとこれがたいへんに興味深い。
■人から聞いた話だが、ある心理学の研究者が都内の一般大学と美術大学で授業を持っていたとき、あるアンケートをしたという。質問は、「あなたは子どものころ、頭を強く打った経験はありませんか?」というものだ。結果がすごい。圧倒的に美術大学の学生のほうが、子どものころ頭を強く打っていた。打ってるんだよ、美大生は、頭を。考えてみれば、私もそうだった。子どものころ、いとこに肩車をしてもらっているとき、そのまま、うしろに倒れて後頭部を強く打ったのだ。それで美術大学に入ってしまった。二枚の図を比べて興味深いのは、まず、早稲田の学生はとてもバランスがいいことだ。各領域にまんべんなく言葉が記されている。ところが、美大の、っていうか、多摩美だけど、そちらの図はいびつである。「過去・マイナー」の領域(これを授業では便宜上「D領域」と呼んだ)がどうかと思うほど充実している。まあ、多摩美のほうは女子の割合が高かったのもあるが、たとえば、多かったものに「球体関節人形」があるし、その上に「夜想」という雑誌の名前がある。「澁澤龍彦」の名もある。面白かったなあ。こうした結果からなにかを導き出してゆこうと考えているが、この「関心領域マッピング」はさまざまな集団でやってみたくなったのだ。学生だけではなく、たとえば、暴走族とかね。自衛隊のある部隊とかね。面白いだろうなあ。
(後略)
なんだか無茶苦茶な論ではあるんだがこれがtwitter界では妙に受けて、やれ自分も頭を打っただのいや俺は打ってないだのとしばらく#headhitというタグが流行っていたのだ。誰だって頭のひとつやふたつぶつけてるだろうと思うんだが。
オイラも子供の頃に頭を打ったことがある。小学校5年か6年の頃だったと思う、友達と追っかけっこかなんかしていて学校の廊下を全速力で走っていたら(当時は非活発的な子供であったのであまりそういうことはしなかったのだがこの時は妙にテンションがあがっていたようだ)廊下に濡れているところがあって(雨漏りしていたわけではないと思うのだがあの校舎の廊下は実にあちこちよく濡れていた気がする)そこで滑って仰向けに転んで後頭部を打った。割れたかと思った。で、この時の事は実に良く覚えているのだが(とはいえ実際のことなのか記憶としてそう思い込んでいるだけなのかもはやわからないが)、仰向けに倒れたもんだから天井が見えているんだがその天井がくわーんと回って見えたのだ。大丈夫ー?と言いながら覗き込む友達の顔も天井と一緒にくわーんと回っている。ああ、マンガやアニメでよく見る「目が回る」というのはほんとのことなんだ、あれを作った人もこんな風に頭をぶつけたことがあったんだ、とその時じんわり思ったものだ。
子供が無邪気にかっけり回る姿は命の躍動感に満ちているがそれは死と隣り合わせだ。ぼやっとしてたら危険は少ないが得られるものも少なかろう。かくも命は儚いしだからこそ生の極限が見せる様は触れてはいけないようなでも行かずにはおれないようないけない美しさをまとうのか。吉増さんがおっしゃるところの「ヤバいことしなきゃダメ」というのはこういうことなんだろうか。両手に何か持って口にもなんか銜えて肘でハンドル操作して夜の山道を猛スピードで運転するヤバさ。
ほんのちょっとでもそっちの味を知ってしまうとそれなしではいられなくなるし自分がそれを求めたがるのがわかる。ヤバいのはわかってる、でもいきたい。そういう彼岸と此岸のわかれめにあって行きつ戻りつできる人が天才と呼ばれ、いっちゃったきりの人はキチガイと呼ばれるのか。などということを考えた。生と死ってそういうことなのかも知れない。
■2010年10月13日(水曜日)
母の命日である。花を供えて仏壇に手を合わせ、あれから21年か、と思ったら全身が真っ暗闇になるような感覚に包まれた。ちょっと恐かった。21年、何もしてこなかった。あの時母が死ななかったらどうなっていただろう。あの日いつも通りに目を覚ましていたら。お母さんが生きていたら。お母さんが生きていたら。お母さんが生きていたら。わたしは子供だ。
はたまた今日は大切なお友達の誕生日でもある。すごいね、この世ってすごい。あの世もすごいかも知れないけど。世界すごい。リアルすごい。
そんな日に出てきたバクチクさんの新しいアルバム「RAZZLE DAZZLE」ですが、ゆうべ第一印象をこんな風に書き留めてた。
10月も半ばだってのに扇風機が要るようなおかしな夜にはもってこいのアルバムだなーと思いました。今井ちんとあっちゃんのあきらめの悪さが結実してるというか。DVD付きのやつなんですが、アートワークがいいです。おっぱいとちんこまみれなので(ちんこは抽象的だけど)エロスに目覚めた青少年はどんどん買うとよい。イヤな大人への道が約束されるぞ。
Blu-spec CDとやらのせいなんでしょうか、音が良いです。幾重にも重なる羽衣のような。でも地面に着いたら消えちゃうんだ…そんな。
しかし…なんなんすかねこのDVD。インタビュー40分のうち今井ちんが9分あっちゃんが10分。30分くらいまでは普通のインタビューだけどラスト10分は体を張ったギャグ。これ、あとで本人が見て頭抱える系なんじゃ。そうでもないのかな。今井ちんとあっちゃんのインタビューは「会話のリージョンコードが違う」ってこういうことなのかなーって感じなのでよくわかんないです。つーかほんとに腹筋鍛えられますて。音声だけ聞いてればいいのか。でもうっかり目を開けるとそこには。ぎゃー。みたいな。
タワーレコード新宿店ではレジ前中央にででんと一大コーナーが設えてあって「おっ」と思ったけどお客さんいっぱいでどのレジも長蛇の列だったもんですっかり埋もれてしまってるという(ノ∀`) アチャーな状況。でもこんなにフィーチャーして下さってありがたいことです。でもさ、ポップに「闇付き」って書いてあったんだけどわざとですかねこれ。やだなー闇付き。っぽいけど。んで、レジ前コーナーではDVD映像も流れてたんですが…タワレコのお客さんの目にはどう映るんですかねアレ…時間があったら観察しに行きたい。
そんな感じだよ!ヽ(・▽・)ノ
それから何度かリピートしてますがどうしてもあっちゃんを正視できません。無理。何の修行ですかこれは。インタビューの尺は長いけど余白が多いんだよな。口下手だからなのか考えてる事が違うからなのかやっぱりよくわからない。でもそんなとこが好きなんだああ。あっちゃんかわいいよあっちゃん。
アニメで初めて知って聞いてみた人とかはどんな風に思うのかなー。職場に群馬育ちのアルバイトの子がいるんだがバクチク知らないって言ってた。うーん。未開拓ゾーンは広いぞ。てえことはまだまだいけるんじゃ。希望的観測。そういえば昨日の朝、駅の改札でデイインのトートバッグ持ってる女の子がいてすっごいびっくりしたんだった。ただでさえファンの人に出くわす事なんて滅多にないのに(…)キュートなお嬢さんだったから余計に嬉しくなったお。珍獣ですみません。
曲はね、オープニングの笑っちゃうような始まる感とか終始楽しげなモードなのであんまり知らずに飛び込んでもライブ楽しめるんじゃないかなー楽しめるといいねー。なんかこう、いいパンツ履いていくかなって気になります。ライブ楽しみ。
■2010年10月17日(日曜日)
はいはい初日初日。ってもう2日経ってますが。メンバーみんな元気そうで何よりでした。自分で見るまでなんにも知りたくないという人にもこれだけは言っておく、遅刻すると後悔しますぞ。ちょっといいもの見逃しますぞ。めくるめきの一夜の模様はこちら。
次回は神奈川県民です、初回からこんなに間が空くのは初めてかも。その間じっくりアルバム聞こうっと。他にもやりたいこといろいろある…。
んでラズり終えて帰って来たら日付が変わっててタモリ倶楽部に滑り込みセーフ。今日はあの三峯徹さんの特集。うひょー。テレビブロスでは「峰岸徹の伝説」になってたけどな。いかんよ主賓の名前を間違えては。
番組の構成はだいたい事前に聞いてた通りで、スタジオで関係者の証言を元に三峯さんの足跡を辿るという感じでしたが、みうらじゅんさんがエロマンガ雑誌界には何の興味も持ってないことがわかってなんだかなー。そりゃさ、確かにどーでもいいっちゃどーでもいい情報なんでしょうけどね、エロ本には並々ならぬ情熱を注いでたはずの人がなー。これが2次元と3次元の壁というやつか。三峯さんについてはそれだけで割り切れない部分があると思うんですけども。
しかし、お宅訪問にはびっくり。かつてのオイラの部屋より凄い。よかった。なんとなく安心しました。でもあれでどうやって寝るんだろう。乳輪の色のくだりには感動すらおぼえました、ピンクがいいけど好きな人のなら何色でもいいと。なんという愛。素晴しい破壊そして誕生(何がだ)。ほっかむりはない方がいいけど好きな人のだったら笑えます(何もかも違う)。和食がお好みだったのか…今度の差し入れは和菓子にしようかな。何を贈っても喜んで下さるんですけどね。しかしこれでまた三峯徹伝説に新たな1ページが加わっちゃったなー。でもこれで「三峯徹は架空の人物」と思ってる人の大半は画伯の存在を信じる気になったのではないかな。それだけでも凄いことのような気がします。
それからアニメ「咎狗の血」見ちゃってその後朝まで妹と電話で反省会。…これは長くなりそうなのでまたの機会に。
■2010年10月20日(水曜日)
ちびっと思い出したので初日に追記。
こないだTogetterにちっとばかしこわい話があがってたんだが、その中で「おや」と思うところがあってな。自己啓発セミナーの合宿での話なんだそうですが。
えとね。合宿の最終日、全員目隠しをされて、部屋の中に入れられました(総勢30人くらい)。で、部屋の中を手さぐりで歩かされます。障害物があったり、誰かとぶつかったり、でも何も見えない。走れ!って言われて走ったり、また立ち止まったりを散々させられ、ヘトヘトになったあと・・・(続く
「1番最初にゴールした人だけが生き残れる!ゴールをさがせ!1番になるのだ!」と号令がかかり、みんな必死で動きます。最終的に「今君たちが体験したのは、精子の冒険です。君たちはそうやって憶単位の兄弟たちの代表として、1位になってこの世界に生まれてきたのです」とw精子ですかい!
参加者は目隠しをはずし、「おかあさーん!」「死んでいった兄弟たち、ありがとう!」「おれ、精一杯生きるよー!」と号泣。精子よばわりされて感涙する人々を、あのときはじめてみましたw
流れってこわいすなあ…なんで感動になっちゃうんだろう。
この話は前にもしたかも知れんのですが、母が亡くなったあとで仏壇片づけてたら過去帳が出てきて、中にはオイラの知ってる人も知らない人もわんさか書かれてたんですが名前のないのも結構あって、それは母が流産した子供の記録だったんですね。
母は喘息持ちで心臓も強くなかったりで他にも色々持病を抱えてたんですが、子供を産むのは無理だと言われてたのを「どうしても産みたくて産んだ」という人で。オイラの三つ下に生まれてすぐ死んだ弟がいたのは聞かされていたんですが自分が生まれる以前のことは何も知らなかったもんで、これ見た時は母の死の直後ということもあって自分が生きてることとか生かされてることとか考え出したら気の遠くなりそうな思いがして。
そんでまあ色々な要素が重なって鬱まっしぐら状態になるわけですが、そういう時に自己啓発セミナー行っても「ありがとう」とか「精一杯生きるよ」なんてことには多分なってないんじゃないかなあ。自己啓発セミナーは一度行ったことがありますが、次から次へと人がやってきては「今の自分は違う自分に生まれ変わるべき」的な事を畳みかけようとしてきて、その様があまりにも必死だったもんで「なにかつらいことでもあるんですか、なんでも話せば楽になりますよ」という気分になったものでした。鬱にいっちゃう人は自己啓発セミナーには引っかからないんじゃないかな多分。なんつーか、心に隙間があってもの足りなさを感じてる人と隙間がなさ過ぎて閉塞感に襲われる人の違いというか。何事も中庸が肝心っすね。
■2010年10月21日(木曜日)
買っておいたCD&DLでーたをようやく読んだら今井ちんが久しぶりにあっちゃんのことをあっちゃんと言ってて嬉しかった(表記は「アッちゃん」だったけどな。これではアッー!を連想するのでちょっとどうかと思う)。「櫻井さん」はあまりにもよそよそしい感じがしてなあ。
こないだツイッターだか2chだかで見たんだが、今井ちんの頭の中には曲が3000くらいあるんだと昔のインタビューで言ってたとか。そーか。つーことは今井ちんが曲を書くのって排卵みたいなもんか。それにあっちゃんがぶっかけてると。それがバクチクなんかなー。妙に納得。
そんな今井ちんが今日で45歳。すごいなー。お誕生日おめでとう。
■2010年10月24日(日曜日)
音楽と人あっちゃん号と増刊PHYを読む。
…音楽と人は前にもこういうインタビューしてなかったか、あの時はインタビュアーが男性で「自分も子供が産まれてから色々変わりました」的な事を唐突に言い出してあっちゃんがそうですかーって感じで流してたような気がするが今回は女性インタビュアーがそれとおんなじことやっちゃったもんだから「女性は大変でしょうね」ってな感じで受け流されて。なんなのこれは、家族の事をストレートに聞くのはNGなのか、だからこんなしょうもない遠回しに聞かにゃならんのか。あっちゃんの口から「家庭」って言葉を聞き出して、そこから先責任取れる覚悟でいるのか。インタビュー自体もなあ、予め用意してた事を聞いてるだけって感じで、そんならアンケートでいいじゃんみたいな。んで隣のページにアルバム評みたいなものを編集長が載せててその中で「今回誌面に載らなかった櫻井敦司のジレンマについては増刊で」的な事を書いてたんだが、どこがじゃ。不当表示じゃないか。いくら出版業界苦しいからってこんな売り方どうかと思うわ。
メンバーによるアルバム解説は面白かったなあ、まさに五者五様で。このバランスがバクチクなんだなあ。しでしこさんがいてよかったよほんと。最近しでしこさんのありがたみが骨身に沁みて感じられるだ。秋のせいかしら。あっちゃんは…「実力を発揮できてなかった」に引っくり返りました。もうやだこの人。んでまた暗かった子供時代の話をしているんだけど、上毛新聞で語られてるエピソードと対照的でね…どっちもあっちゃんなんだなあと、当たり前なんだけど今さらながらにそう思いました。かわいいなあ…。
■2010年10月31日(日曜日)
ハッピーハロウィンて言いますけどもこれ本場でもそうなんだろうか。ハロウィンて、地獄の釜の蓋が開いて幽霊やらお化けやらが湧き出てくる日なので人間だとバレないようにお化けの格好をするんだと聞いたような気がするんですが。するってえと「ハッピーハロウィン!」ってのは「よいお盆を!」みたいな意味になるんじゃないかとか考え出したら夜も眠れませんがこまけえこたあいいんだよ!
そんなハロウィンのライブはどうだったかなー、こんなだったよー。
次は高松〜広島と遠征してきます。女の一人旅っていうと情緒がありそうなもんだけどなんかずーっと顔がニヤけてそうでやだな。うふふ。
あと、今発売中のティアズマガジン94にまたレビューが載ってます。今回はヒトコト+イラストのページ。書いたものが全部載るというわけでもないのだな。自分しか投票してないものもたくさん投票があったものもどれも面白い作品なので次回のコミティアで反応がよくなるといいなー。ライブと被るけど行きますぜ。ああ、好きなものがあるって楽しい。