■2003年8月2日(土曜日)
るんたった。いよいよサマソニである。朝からなんだかいい天気。あんまり晴れてくれなくていいわよ、ちょっと曇ってるくらいでー。ところが、時間が経つにつれどんどんいい天気に。うーむ。
道を歩いていても電車に乗っていても、Tシャツ短パンの若人はみんな幕張に向かっているんじゃないかという気がする。単純なワシ。こういうわくわく感は久しぶりかな。
東京駅で京葉線に乗り換え。おお、売店でパンを買っている二人連れの外人さんがいるぞよ。サマソニかなあ…と、手元を見ると、黒いスクエアトランクに白スプレーで DEVO の文字。うひゃあ。どこから歩いてきたのやら、色白の彼らの首筋は既に日焼けで真っ赤っか。ビデオカメラに三脚まで担いでいるがまさかスタッフではあるまい…楽しめるといいねえ。
海浜幕張の駅に到着、メッセ方向の出口に向かうとざざーっと居並ぶダフダフダフィ。この暑いのに皆さんご苦労な事ですよ……しかし暑いなおい。昨日までの曇天はどこに行ったんだ。メッセに着いた時にはもう汗だくです。入り口でチケットとリストバンドを交換、あら、銀色で渋いわね。どうやら二日通し組は金と銀らしい。
まずはイベントホールのファクトリーステージに行ってみる。オレンジレンジとやらを見てみたかったのだが、中に入ると「きりきりまい、きりきりまーい」とか言っていきなり演奏終了。うう、遅かったか。すっかりゆで上がっている若人達がぞろぞろ退場していくのを尻目にフロアの最後方、PA前のセンターに陣取る。ここから対面のソニックステージを見ると正面どんぴしゃ。ファクトリーの方は仕切りがなかったがソニックの方は左右が分けられているのでここはちょっとした特等席だわね。
さして間を置かずに Hot Hot Heat スタート。ふむ、対面式だとセットチェンジのインターバルがなくていいわねえ。この人たちは確か Playmate of the year とかいう愉快なタイトルの曲をやっているのだったっけな、という事くらいしか知らないのだが、これはなかなか楽しいアクトだ。気持ちよーく踊って楽しんであっと言う間に終わってしまった感じ。柵にもたれて見てるから疲れないし、年寄りにはベストポジションだなこりゃ。
お次はファクトリーステージ、お楽しみの Polysics である。なんせ大好きなDEVOと共演とあって、ハヤシ君のテンションはさぞかし上がっているだろう……はははは、果たしてその通りでした。ゴーグルなしのハヤシ君を見たのは初めてかも知れん。しかしなんだな、さっきの Hot Hot Heat とはえらく音響が違うなあ。どうして邦楽と洋楽の音響はこうも違うんでしょうか。ライブ自体はいつも通りで楽しめましたが。
ここで一旦メッセに移動、腹ごしらえをして一休みしようという寸法。が、食べ物屋さんはどこも大層な列が出来ている。特にお目当てもなかったので適当に並んでみるとそこはカレーの列だった。500円のつもりが800円だったのでちと驚くが、ベーコンエッグ野菜カレーとやら、なかなかうまい。ん?こいつをはむはむ食ってる間にステージの方がなにやら騒がしい。そう言えばさっき花魁道中やってたし、町娘風のおねえさんがチラシ配ってたっけ、あれの関連かな。と、ステージのスクリーンに何やら映像が…刺青をした女の人が土の中から這い出て来てるぞおい。ちょっとエロティックで渋めの映像をバックに、刀を手にした男性がステージに登場。剣舞でもやるのかと思ったら他にも忍者装束の人がたくさん出てきて殺陣が始まった。ふうむ。そう言えば忍者ショーがあるって言ってたっけか。ショーってのとは違う感じもするけど、いきなり繰り広げられる異空間はなかなか新鮮。うわ、ステージの頭上から人が落ちてきたあ!…ホールの天井にずっとスタンバっていたのか?さっき貰ったチラシをよく見たら「EDO WONDERLAND」と書いてある。ほほー、こういうパフォーマンス集団なのかあ…って、「日光江戸村」なのかこれ?ちょっとびっくり。
腹ごしらえができたところで再びイベントホールに移動。今度はGO!GO!7188(ごーごーなないちはちはち)ですよ。今回のサマソニ、当初は二日目だけ行こうと思っていたのだが、ゴーゴーの新曲のビデオクリップを見て、今のゴーゴーがどんなライブをやってるのか見ておきたいなあと思ったので両日参戦と相成ったわけなのである。
かくして、いつも通りに熱いライブだったわけですが、相変わらず容赦ない選曲ではありました。フェスだからみんなが知ってそうな曲を、ってんじゃないんだよなー。シングル曲もあるけれどヘビーなナンバーもありで(特に歌詞がね)、その有り様がとても心強く感じられる内容でした。このバンド、どこまで行くのかホントに楽しみ。
その後アウトドアステージに向かう。あまり人も多くなくてすんなり移動。しかし暑いわね。途中、DEVOTシャツを着てるカップル発見。黒字に白で DEVO とだけ書いてあるシンプルなやつ。ちょっと欲しいかも。
さてアウトドアステージ。ステージの両脇に巨大モニターがあるからスタンド席からでもアーティストの表情が拝める。颯爽とステージに登場したその姿は The Jon Spenser Blues Explosion である。んまーかっこいい。ヒゲをきれいにあたってイイ男度5割増。動きがこれまたかっこいいわねえ、足なんかめっちゃ細くてマンガみたいだわホントに。演奏もずばっと決まったロックンロールで気持ちいい。うーん。冗談みたいにかっこいい。
まだ演奏やってるけど、ジョンスペ兄さんに後ろ髪を引かれつつ途中でまたイベントホールへ移動…ちょっと早すぎてまだお目当ての前のバンドがやってる… Kick The Can Crew か。テレビではよく見るから流行ってるのかも知れないけど興味ないけど生で見ればまた違った良さがわかるかもと思ったけどやっぱり同じだった。これから毎月シングルをリリースしますとか言って、洋楽のバンドは何年も間が開いたりするけど俺らはそんなのできない、なんかやってないとダメなんだもん、みたいな話をしていて、素人じゃあるまいしヘボいこと言ってるなと思いました。彼らが言う所の「洋楽のバンド」ってのはアルバム1枚出したらそれ持って何ヶ月もツアーに出たりする。活動の規模もスパンもターゲットになるマーケットの大きさも最初から桁違い。クオリティが求められるのももちろんだけど、それ以前の問題なわけで。こういう洋楽コンプレックスみたいなのってリスナーだけじゃないんだなあ。
さて、本日の締めはDEVO。テンションあがりまくってるハヤシ君とVJのブライアンが登場して御大の登場を促す。メッセージ臭ぷんぷんの映像が流れ、ぐーっと盛り上がったところへ、うわー出てきた…DEVO帽子にDEVOツナギだ…本物のDEVOだあ。見た目はいかにもドイツのおっさん風でかなりどっしりしてるけどボーカルの声の張りは素晴らしいわ。そして動きがこれまたDEVO。当たり前か。DEVO帽子をフリスビーみたいに飛ばしたり振りを揃えて踊ったりメンバーの衣装を引きちぎったり(べりべり破いている)と忙しい。衣装を引きちぎられたメンバーはお召し替え…ああっ、DEVOTシャツだあ!Tシャツ短パンに肘当て膝当てという強烈な出で立ちですわー。めちゃめちゃスポーティー。フロントの人たちも元気でノリノリだけどドラムがタイトでかっこいいんだよなあ。YMOもそうだけど、昔のテクノバンドって打ち込みだけじゃなくてドラムが生きてていいんだよね。ベースとドラムが生だとグルーブが違うと言うか。終演後、DEVOTシャツを探しに物販にいきましたがありませんでした、残念。
■2003年8月3日(日曜日)
サマソニ二日目。今日はトップバッターからオーラスまでたっぷり楽しむぞ。……でもなんだか昨日よりも暑い気がする。まいったねこりゃ。でも、アウトドアでもグランドに下りずに日陰のスタンドで見てればなんとかなるよな。
まずはアウトドアステージ、ちょっと遅れて入場したけどスタンド席に着いた所でちょうどロマンポルシェが登場。そういや昨日、掟ポルシェ氏がテレビカメラと一緒にいたっけな。うう、白い長ランが暑そうだなー。お馴染みの説教もサマソニモードで、「大体お前らなんだその格好は!揃いも揃って外国のバンドの名前の入ったTシャツか!」といった具合。しかしワシの周りはノリがイマイチだったので思い切ってグランドに下りることに。フェスなんだからさ、お祭りなんだからさ、楽しんだ方がいいじゃーん。
しかし……熱気が足元からぶわああああと立ち上ってくるよお……野球場だから、人工芝の上にマットを敷いてあるんだよね、この黒マットが熱を吸収している模様。そして照りつける日差し。この暑さと熱さ、ハンパじゃありません。でも周りは元気だなー、みんな若いもんなー。
さて、トップバッターは The Polyphonic Spree 。白装束の大人数バンドという認識しかないけど、こんなバンドが生で見られるのもフェスならではだよなあと思いつつチェックしていたバンドだ。おー、出てくる出てくる…まだいる…まだいる……人数多すぎじゃ。途中、何度か数えてみましたが、みんなして動き回るからようわからん。多分23人はいたんじゃないかと思います。なんでこんなにいるんだろう。ハープやフルートやホルンや、テルミンやってる人までいるもんなあ。にしても凄いハイテンションだ…朝っぱらからめちゃめちゃハッピーに盛り上がってます、メンバー自身が。コーラスもパーカッションもギターもみんなして髪振り乱してますよ。走り回ってますよ。なんかヤバいものやってるんじゃないかという盛り上がり方。神様がバックについてる人たちはブチ切れ方が違うなあ。でもハッピーな曲ばっかりで楽しい。オーディエンスも負けじと盛り上がる。ワシの近くにいた人がシャボン玉を吹いていて、これが曲に合っててハッピー感倍増。フルートのおねえさんがいい感じだなあ…小柄なんだけどボインでぴょんぴょん跳ねててとってもキュート。うん、いいもの見ました。このバンドをアウトドアの一番手に持ってきたのは大正解だったかもね。朝からこんなに無条件でテンション高いバンドなんてそうそういないだろう。ベリーグー。
スタジアムの外に出て水分補給、日陰でちょっと休もうかなーと腰を下ろす…う、ちょっとお腹痛いかも。500mlのペットボトル一気飲みしたのがいけなかったかしら。ま、大丈夫よね、と自分をごまかしつつメッセに向かうも、しばしトイレの人となる。不覚。でもイベントホールのトイレが全然混んでいない上にちょっと涼しかったのであまり体力消耗せずに済んだかも。復活後、エビアンの大きいペットボトルを買ってスタジアムに行こうとメッセに行くと、なんと入場規制がかかっている。マジすか。一体何が起きているのか。この頃、黒装束にメイクばっちりのお姉さん達を発見。一目でバクチクファンだとわかる出で立ちだ。この人たちはサマソニに来たわけじゃなく、サマソニに出るバクチクを見に来たんだなあ。それがいいとか悪いとかじゃなくて、単純にそれだけの事なんだろうと思いました。にしても、この暑い中、あの格好とお化粧は大変だろうな。
よれよれとマリンスタジアムに着くとまだBlondieが演っている。うわー、ボーカルの女の人、デボラハリーだよなあ、年はとってるけど胸元が開いた黒のドレスがセクシーでかっこいいわあ。
続いては Good Charlotte 、パンクっぽいポップバンドで元気がいいので好きなのだ。こちらも黒の衣装だよ。アリーナは人がびょんびょん泳いでて大騒ぎ。よく見ると、ホースで放水した後の水たまりで遊んでる人たちがいます。浮輪まで持ってきてるぞ。「マジサイコー!」なんてMCも飛び出しゴキゲンに楽しませてくれました。
お次はStereophonics、全然聞いたことなかったけど、まったりしてみたり激しくしてみたり表情豊かなバンドだった。
そして、さあ、お待ちかねの The Strokes ですよ。前に見た時はこれでもかというくらい待たされたけど、さすがにフェスではそうもいかない。おお、みんな出てきたぞー、元気そうだねー……ん、なんかやけに前に出てきてるスタッフがいるなあ、ジュリアンはどこかなあ………え、まさか………うーーーーわーーーーー。ジュリアン、君、そのカッコ……ゴーストバスターズTシャツかよ!んもー、ワシが学生の頃、あのマークにそっくりと言われてた事を知っているのね!ワシを喜ばせるために着てきたのね!ワシがこの時どれだけ嬉しかったか。おまけにパンツインだし、黒T黒パンに白いベルトってどうなのジュリアン。櫻井敦司を超えたなジュリアン。しかし凄い格好だなー。New York City Cops を聞きながら笑いが止まりません。
ライブは久しぶりらしいけど演奏はしっかりしてるし、モニターに映るメンバーの表情もにこやかでとってもいい感じ。バスドラに「ザ・ストロークス」とカタカナで書いてあるところも嬉しいねえ。ジュリアンは1曲目でいきなりマイクスタンドをステージの後ろにぶん投げたり、自分の前に並んでた小さめのモニタースピーカーを蹴り倒したり、スタッフが戻したそのモニターをまた蹴ってステージ下に蹴落としたりと暴れていましたが、途中、いきなり「今〜船出が〜近づく〜この時〜に〜」とマイウェイを日本語で歌ったりなんかして、緊張しつつも実はゴキゲンなんじゃという感じ。待望の新曲も2〜3曲披露されて、これがまたストロークス節を継承しつつより厚みの増した印象で、新作への期待が一気に高まりましたことよ。ラストナンバーの Take It or Leave It までノンストップで盛り上がり、最後にはステージをひょいっと下りたジュリアンが客席に突っ込まんばかりに身を乗り出し……と思ったら本当にダイブしちゃったよ!屈強な黒人セキュリティ達に掘り起こされて、退場する時も名残惜しそうにお客さん達にタッチしながら……ありがとう、ありがとうジュリアン。予定より15分遅れて始まったのに時間通りに終わっちゃってちょっと物足りないけど、そういう君のまっすぐな気持ちが嬉しいよ。今度は新作引っさげてまた日本に来ておくれねー。
日がだいぶ落ちてきた。あとは大トリのRadioheadを残すのみである。このバンド、音楽専門チャンネルではしょっちゅうビデオクリップが流れるんだけどどうも苦手でちゃんと聞いたことがなかったので、最初だけ聞いてすぐに帰ろうかなーなんて思ってたんですが、セットチェンジを見ていたら照明が凄くきれいで、どんなステージになるんだろうと興味が沸いてきた。気がつけばスタンドもグランドも人がいっぱい、でもまだまだどんどん入ってくる。「まだたくさんの人が場外にいるので、少しでも多くの人がRadioheadの演奏を聞けるように、アリーナにいる人は前に詰めて下さい」というようなアナウンスが。すると、それまで寝っころがったり座ったりしていた人達が一斉に立ち上がって前の方に詰めだした。うん、ナイスだね。その様子にスタンド席から拍手が起こります。
ライトが落ちて真っ暗になり、ざわめく会場。登場するメンバーを迎える大歓声、そして始まった曲にこれまた大歓声…この曲は知ってる、最近ばんばんビデオクリップが流れてる新曲、There,There だ。なんとも力強い音だなあ…そして照明がちょっと不思議だ。ストロボみたいな光りがあちこちでぱぱっ、ぱぱっと光る。ステージの方から照明が当たっているのかと思ったけど、アリーナだけでなくスタンドのあちこちでもランダムに光っている。自分が座っている座席のすぐ横からも光りがきた。これはどうなってるんだろうなあ。この光りはこの曲だけでなく、ライブの間中ずっと光っていたようだった。次々と演奏されるナンバーは聞いたことのある曲がたくさん。でも、ビデオクリップで見る印象とは随分違う、もっと深くて厚い感じがする。ライブだからなんだろうか。演奏も凄くて、熱いのにどこかクール、でも凄まじい濃度で入り込んでいる。ぐーっと入り込んで聞いていて、曲が終わると溜め息しか出ない。凄い。照明も渋くて、緩急があって、曲を内側から見せるような、そんな感じ。トムヨーク先生は「あついですね」なんてフツーに日本語でしゃべってちょっとお茶目なところも垣間見せたり、歌いながらギターを持ったりキーボードを弾いたりと忙しく、マイクだけの時はぺなぺなと不思議な踊りを踊ったりして、その入り込み具合はちょっとイっちゃってる感じすらしましたが、何かの曲の時、イントロから歌に入るところで「やめやめ」という感じに手を振って、「今のイケてなかったからもう一回」(憶測)みたいな事を言ってその曲を頭からやり直したりして、なんてクールな人なんだろうと思いました。あれだけ激しく入り込んでいるように見えて、周りがちゃんと見えている、冷静なんだなあ……極度に緊張しながら物事に集中する時、頭がかーっとなってるんだけど芯だけは冷えてすーっと冴えるようなあの感じ、だろうか。凄い人だ。気がつけば完全にRadioheadの世界にのめりこんで聞いている、この心地よさ。アンコールを呼んでいる時、スタンド席の上の方から「朝までやってくださーい」という声に周りも思わずみんなで拍手。本当に、ずっとずっと聞いていたいと思うような、いいライブだ。そしてアンコールラスト。これまでも曲が始まるごとに凄い歓声が沸き起こっていたけれど、この曲の時は、歓声というよりも驚きに満ちた叫びのような声が会場中からあがった。何か特別な曲なんだろうか。タイトルも何もわからないけれど、深い温かみのある曲……いい曲だなあ……と思ったら涙が出てきた。不思議だ、でもなんだかそれでいいような気がしていた。
メンバーがステージを下り、えーこれで終わっちゃうのー、という残念モードが会場を支配しかけたその時、スタジアムの後ろからどーんと花火が上がった。いくつも、いくつも、大きな花火。それに応える歓声。ああ、お祭りは終わりなんだ……さみしいけど、でも、こういう終わり方はいいな。
その後しばらくスタンド席でぼーっとし、周りに人がいなくなった頃に退場して駅方面に向かう道の途中、夜風に吹かれながら誰もがみんなあの余韻を噛みしめているようで、それがまた心地いい。かくして二日間のサマーソニックは幕を閉じたのでした。ありがとう。いいフェスでした。
■2003年8月4日(月曜日)
サマソニ会場はさしずめ世界Tシャツ見本市とでもいった光景でしたが、二日通して一番印象に残っているのはソースネクストのTシャツ着た人でした。なんでまた。社員さんだったのかしら。
あと、一日目には◎FSブースでガチャガチャを見つけてはしゃいでしまったのでした。一回百円で中身はミニバッジ。何回やったかはナイショ。「鮫島組」がお気に入りっす。
Radiohead の最後のあの曲は Creep というらしい。と、興味がわいてきたので日本のオフィシャルサイトを見てみたらば、まあ、意外に若いバンドだったのね。あれはファーストアルバムの曲なのか。…おおおお、トム・ヨーク先生の”好きなアーティスト”にスコット・ウォーカーの名前が。大納得っす。おまけに”人生最大の影響”にノーム・チョムスキーとな。うーむ。なんたって、「趣味:バンドやってること、眠る事、悩む事」だもんなあ。自分自身を自覚しつつ、立場を明確にして表現活動している人なのだな。
これまでワシが Radiohead を敬遠してきたのは、ひとえにあのビデオクリップが苦手だったからなのであるが、ライブではもうどの曲もとっても良くてびっくりでしたわよ…映像って、音楽の助けになることもあるけどそうではない場合もあるのだなあ。テレビの音楽専門チャンネルをだらーっと見てるとついつい映像の方に注意がいってしまうけれど、音楽はやっぱり耳と肌で感じないとだめかもな、と思ったことではありました。
■2003年8月5日(火曜日)
- 日本テレビ…汐留
- TBS…赤坂
- フジテレビ…お台場
- テレビ東京…六本木
在京キー局が港区に集中してるのはなぜなんだ。
そんなわけで(どんなわけだ)、仕事場がお台場に越してきてしばらく経った。あれですね、美人は三日で飽きるとはよく言ったもんで。初めのうちは物珍しくて窓の景色なんかも面白がって見てましたが、仕事中にゴーイングメリー号が見えたって何の得にもなりませんがな。観光地なんて毎日通うところじゃないっす。それでなくても夏休み真っ盛りでゆりかもめが込む込む。親子連れ、カップル、友達同士、なんでもござれだ。特に夜の!カップル!てめーら、しかるべき場所でいちゃつきやがれ!邪魔なんじゃああああ!
にしても、ゆりかもめってのはどうしてあんなに寒いんでしょう。冷房効きすぎ。東海道線もだけど。冷風直撃位置に座ってしまう事態を想定して常に上着持参の臨戦態勢。特に東海道線は一度乗ったら小一時間動けないのでこれは死活問題なのであった。
そう言えば。
この4月から朝9時出社が義務づけられ、更にお台場に移ってからはプラス15分の通勤時間ということで、以前より1時間半ほど家を出るのが早くなったわけですが、この時間だと電車の中の空気が全然違うんですな。なんつーか、生気がないの。どよーんとしてるの。前だったら、横浜あたりにお勤めの販売関係のお嬢さんとか高校生なんかも結構乗ってる時間帯だったので、車内で聞こえるおしゃべりも「きゃっきゃっ」てな感じだったのが、いまや周りはくたびれたおじさんだらけ。なんかこう、薄ら寒い感じ。あながち冷房のせいばかりでもあるまい。ぎゅうぎゅうに混雑してきてもみんな無言。まさに殺伐とした雰囲気…おそらくみなさんローンを抱えて定年まで働き続けなきゃいけない人たちなんだよな…なんて思ってると今度はゆりかもめでぎゃーすこぎゃーすこ騒ぐガキ共に囲まれている。むうう。なんなんだこれは。
■2003年8月7日(木曜日)
どうも先週末あたりから普段使いのメールアドレスが機能してないっぽい。そういえば今月からメールサーバが移転だとかいうメールが来ていたのに気付き慌てて指示通りに設定を変えてみたがやはりうまくいかない。むう。アドレスはそのままでいいはずなんだけどなー。しょうがないのでサーバ屋さんにメールで問い合わせたところ。
申し訳ございません。
新システムに移行後、@マークより前が一文字のアカウントを
作成することができない仕様になりました。
にゃにおう?そんなことお知らせにはひとっことも書いてなかったじゃんかよう!
…ん。待てよ。てえことはアレだ、1日から今までにオイラ宛に来てたメールは闇のまにまに葬り去られたってわけね…有料サーバでこの仕打ちはねえだろ…最初から postmaster にでも catch all 設定しとけっつーのよ…ぷすぷすぷすぷす…あまりに頭に来たので思考停止。くそー。でも今更他に乗り換えるの面倒…あああああ。
■2003年8月10日(日曜日)
今日は東京湾大華火祭。うちの会社が入居しているビルの食堂で飲み放題食べ放題の花火観覧ができるというので知り合いに声をかけて参加することに。クーラーの効いた室内で快適な花火鑑賞。まあステキ。
花火の打ち上げは19:00からだが飲み食いは早めに始まるらしく、食堂のおねえさん曰く「みなさん17:00頃にはおいでになってます」というので窓側の席を確保するべくちょっと早く行くことに。
しかし。わたしは甘かったのである。
16:00頃に新橋駅に着くと既に結構な人込みである。込んでいるというより溢れている。浴衣姿の若い女の子がそこここにたむろして袂から腕をにょきっと出して携帯で電話している。ふうむ。花火を見に来る人って結構いるんだなあ。この暑い中わざわざお台場に花火見に来る人なんてそうそういないんじゃないかと思ってたんだけど、考えてみたら、都内の夏の(タダの)イベントってそうそうないもんね。
ゆりかもめのホームには文字通り人が溢れていて、列車はひんぱんに来るもののちんまい車両の6両編成では一度に運べる人の量はたかが知れている。参ったねこりゃ。なんとか乗り込み、お台場海浜公園で降りるとこれまた凄いことになっていて、改札を出た通路は人人人でぎっしり埋まっている。うへー。みなさん一体どこでご覧になるんですかね。
それでもなんとか17:00にはビルに着いて窓際の席をゲット。ふう。レインボーブリッジが正面に見えるオーシャンビュー(?)である。周りを見ると子供連れが多く、何もないのにガキ同士大はしゃぎでバタバタ走り回っている。何がそんなに楽しいんだかね。窓の外、海浜公園は凄い人だかり。暑そうだなあ。こちらはクーラーでラクチンさー。
飲み物食べ物が次々と解禁になり、いい感じに回ってきた頃に部屋の電気が消される。これだけでもいい眺め。どのあたりに上がるのかなーと思ったら、おおお、まさにどんぴしゃ真っ正面ではありませんか。いいねえこりゃあ。大きいのが上がるたびに「おおー」と声があがってなかなか楽しい。と、いきなりウイーンという音と共に窓のブラインドが上がってきた。花火なんか見ちゃいないガキどもがあちこちいじくって電動スイッチを入れたらしい。きいいい。「このクソガキ」と言ってきゃつらを睨みつけながらスイッチを元に戻す。蹴るぞ殴るぞ。
今年の花火は江戸開府四百年記念で例年より千発多い約一万三千発の打ち上げだそうで、一万二千と一万三千の違いがわかったかどうかはともかく、オーソドックスなのからニューウェーブなのまで途切れずに次々と上がる花火は実に見事でした。
で、終わったら当然帰りのラッシュ。さっきよりも強烈な人込みで、ビルを出た時点で既に人の波があまり動いていない状態。いや参ったねこりゃ。これが土曜日だったらオールでまったりしてもいいんだけど、明日は月曜日だしなあ。と、なんだかもうふらふらになりながらよれよれと帰ったのでございました。あの人込みさえなんとかなったらこんなに快適なイベントはないな。
■2003年8月11日(月曜日)
今年頭、めちゃめちゃ忙しかった時期に、朝ご飯を食べる時間がないので駅の立ち食いそばに毎日のように通っていたせいか、あれ以来そば食いがすっかりくせになってしまって。普通のそば屋と違って、気軽にねぎ抜きを頼めるところが何よりグー。で、品川駅のコンコースにある常磐軒というお店のかき揚げが、いかげそたっぷりで油っこくなくてうまいので毎日のように食ってたんですが、会社の移転に伴いそことはお別れしなければならず、新たに新橋駅界隈の立ち食いそば屋を開拓するべくあちこち食べ比べてみたところ、やっと好みのお店が見つかりました。
その名はポンヌッフ。
銀座口を出てすぐのガード下にあるお店で、最初はポンヌッフという名前が謎で入るのを敬遠してたんですが、食べてみたらかき揚げがソフトで油っこくなくてつゆの味も好み。ちょっと平べったい器が個性的で、めんの量があまり多くない。常磐軒のそばは「ずるずる」ではなくて「ぞばぞば」という感じのワイルドなそばでしっかりした食べ応えがありましたが、こちらのはそれほど主張が強くないので食べやすい。ちょっと小腹が空いたなーという時にはもってこいというわけで、朝な夕なにポンヌッフに通いつめる日々なのでありました。
で、この「ポンヌッフ」という名前。
初めはアイヌ語みたいと思ってましたが調べてみたらフランス語だそうで。まあオシャレ。意味は「新しい橋」。新しい橋……新…橋……新橋……えええ、そういうことかあっ。やられた_| ̄|○。どうりで、新橋駅周辺には「○○商店ポンヌッフ店」みたいなのがよくあるわけですよ。
でもって、立ち食いそばをいくつかめぐってみて感じたことが。それは、従業員のご婦人方がとてもきっちりお化粧をしているということ。立ち食いそば屋に従事している女性は割と年配の方が多いのですが、みなさんとてもしっかりメイクで口紅も赤ーいやつをぴりっとつけていらっしゃる。自分なぞは「まゆげあればいいや」くらいにしか思っていないのでいつもとてもおざなりな格好なので、そば屋のおばさんがアイメイクをきっちりしているのを見る度に「見習わねば」と思いつつ汗をかきかきそばをすすっているのでありました。うーむ。
■2003年8月15日(金曜日)
朝。いつもの時間に新橋駅に着くと、そこには異様な光景が広がっている。人が多すぎる。どいつもこいつも妙なハイテンションと大荷物、見渡す限りのオタク、オタク、オタク…しまった、今日からコミケか。自分が参加しないもんだからすっかり忘れていたわい。ゆりかもめのホームに辿り着くのも一苦労、辿り着いたところでここでも待ち受けるオタクの群れ。ああいやだ。
何とか列車に乗り込んだものの身動きが取れない。目の前にいる二人の会話が丸聞こえ。「夕べねー、ナントカさんのホームページ見たら日記が更新してあってー、なんかもうすっごく嬉しくなっちゃってー、プリントアウトしてきたのー」「えーホントー、見して見して見して」そんなもんはスペースに着いてからゆっくりやれ。つーかお前ら、8:30だってのにカート引いてこんなとこにいていいのか。サークル入場に間に合うのか。
通勤のサラリーマンはもちろんだが、かわいそうなのは何も知らずにやってきた夏休みの親子連れである。オタク熱気に押されてもはや口をきく元気もなくなり、ただ呆然と周りの変な人たちがはしゃぐ様子を見ながらゆりかもめに揺られている。コミケにぶつかったのが運の尽きよ。もう二度とお台場に遊びに来る気になんかならないだろうなあ。
ようやく会社に着いてみると、他のルートも大変だったようである。一番酷かったのはバス利用者で、浜松町からのバスがコミケ客で満杯だったため諦めて電車で来たとのこと。「何かあるんですかね」とみんな不思議がっているので「今日は一日目だからまだいいけど三日目ともなると男ばっかりでもっと凄いことになりますからね」なんてついつい事細かに説明してしまう自分が悲しい。
当然、帰りも同じような状況である。いや、朝よりも更にパワーが増している。年に二回の祭りだから盛り上がるのはわかるけど、公共の場ではもうちょっと振る舞いを考えろよ…何でオタクってこんなに声が大きいんだ。誰もアンタ方の戦利品の報告だのアニメうんちくなんか聞きたかねーんだよ。
コミケの主催者側は「公共の交通機関を利用しましょう」と呼びかけているが、金曜日のゆりかもめだけは除外して欲しいものだと心の底から思った一日でありました。
■2003年8月18日(月曜日)
クロスビートがもう出ててびつくり(←”つ”が”っ”でないところが衝撃の大きさを物語っています)。いえ、発売日はいつも通りなんだけど、フジロックとサマソニのレポートがみっしり載っているのじゃ。フジも凄いけど、サマソニってばつい二週間前の話じゃん。コミケ合わせの同人誌みたいな勢いだなー。
表紙はトムヨーク先生か…あれは凄いライブだったもんなあ。しかし……ジュリアン……ジュリアン……こうして改めて写真で見るとますます凄いよジュリアン…。
■2003年8月20日(水曜日)
わざわざ修正パッチを当ててくれる“親切な”Blaster亜種が登場 (INTERNET Watch)
これって”ウイルス”なんだろうか…なんだろうけど…ウイルスを元に抗体作るみたいなもんか。違うか。
これだけ騒がれてるのに何の対処もしてないマシンはばんばん感染していって欲しいものです。嘘です。ちゃんとパッチあてましょう。
■2003年8月22日(金曜日)
路上で1100万円入りリュック奪われる 千葉・市原(asahi.com)
調べだと、従業員が市原市内の景品買い取り所から乗用車で帰宅中、赤信号で停止した際、前に止まっていた軽乗用車が突然後進し衝突。男が降りてきて、従業員に催涙スプレーのようなものを吹き付けて顔を殴り、乗用車のトランクにあったリュックサックを奪ったという。
これ、見出しのつけ方おかしくないすかね。「路上」「リュック」という言葉から連想される情景と記事の内容とがちっとばかしかけ離れてるんでないかい。「調べだと」ってのも口語的。新聞記事としては「調べでは」と書く方が妥当な気がする。
ワシが小学生の頃は新聞記事と見出しのつけ方は文章のお手本として国語の教科書に載ってたもんだけど、随分変わったなあ…年とったって事か?
■2003年8月26日(火曜日)
妊娠2カ月、上原さくら入籍(スポニチアネックス)
タレントの上原さくら(26)=本名・遠藤さくらさん=が20日にアパレルメーカー「デビロック」社長の遠藤憲昭さん(31)と入籍、妊娠2カ月であることを25日、都内の所属事務所で発表した。
ええええ。あの遠藤社長っすか。あの上原さくらちゃんっすか。
弟によれば、「ロンブーの番組に上原さくらが出てたからその関係じゃね?ロンブー亮はデビロックとか格闘系とかバンド系とか好きだから」だそうですが。
にしても、遠藤社長ってまだ若かったんだなあ…そう言えば、SUPERHYPE(遠藤社長がやってたメロウな感じのバンド)ってどうなったのかなー。