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slip into chaos - 日々録(2008年08月)

2008年8月1日(金曜日)

ねずみが出た。泣きたい。

夜中、がさごそいう音で目が覚めて、「これはきっとよそのお宅から聞こえてくるのよ、うちの部屋じゃないわ、きっとそうよ」と現実から目を背けようとしたがどう考えてもうちの台所から聞こえてくるのでしばし逡巡したのち観念して部屋の明かりを点け、意を決して台所につながる引き戸を開ける。と、すちゃっと走り去る中くらいのねずみの姿。あああああ。そのまま引き戸を閉めてうなだれる。やっぱりゴミ袋オンリーじゃだめかあ、ゴミ箱買わなきゃいかんかあ、それにしてもいきなりねずみとはなあ、ねずみだけにチューくらいってなもんでねうふふふふ。泣きたい。

にしても。

やつが走り去ったのちの台所が文字通り静まりかえっているのである。はて。やつは一体どこに「去った」というのか。こうなってくると怖い考えが次から次に浮かんでは消えずにがふがふ頭の中に積もっていく。いやだ。泣きたい。泣いてねずみがいなくなるならいくらでも泣いてやる。うええええん。

翌日、ホントに泣きたい気持ちで台所を探索。つっても問題点はわかっている。この部屋は古い建物を内装だけ無理矢理リフォームした代物で、ユニットバスとキッチンがあるエリアは元々は台所だけだったらしく、今のキッチンセットは元の壁や床から数センチずつ浮いた格好で備え付けられている。他に隙間などは見あたらないことから、やつが出入りしているのはこのキッチンセット界隈であろうと推測できる。っつーかもうここ以外ないじゃん。

流しの下の物入れスペースを開けてよく見ると、排水管の根本はゴムパッキンのようなもので閉じられている。ふむ。床部分はがっしり作り付けてあるが突き当たりの壁部分はベニヤ板をねじ釘で留めてあるだけだ。上の隙間から奥に少し空間があるのが分かる。うう。泣きたい気持ちでねじ釘を外しベニヤ板を取り除く。と、ああ。水道管やらガス管やらが床からにょきにょき生えていて、その根本は実におざなりにぽっかり空いている。ねずみさん、さあどうぞお通りください、と言わんばかりに空いている。ちきしょおおお。

泣きたい気持ちでねずみ対策情報をネット検索したのちホームセンターに赴く。まずはゴミ箱をチェックして、それから害虫コーナー…って単独で「ねずみコーナー」あるじゃん! ここら辺ってそんなにねずみ多いのか? ともあれ、各種ねずみ対策グッズが豊富に並んでいるのでぱぱっと買う。Gホイホイみたいな、ねずみホイホイ的なやつまであるんすね。始末する時の事を考えたら泣きたくなったけど。

帰宅後、水道管エリアの隙間にねずみブロック的な針金たわしみたいなやつを突っ込んで侵入口を塞ぎ、ねずみ忌避剤(ねずみの嫌いな臭いを放つもの)をばらまき、念のためねずみホイホイ的なものも仕掛け、むき出しで置いてあったゴミ袋をゴミ箱に突っ込んでばばっと掃除して対策完了。

それから数日経っとりますが今のところ再現はしていない模様。頼む、これで解決してくれ。じゃなかったら泣くぞ。

2008年8月2日(土曜日)

今日は有楽町へ。よみうりホールで開催された日本近代文学館主催「夏の文学教室」に去年に引き続いてご出演の吉増さんのおっかけですの。今年のテーマは『「東京」をめぐる物語 Part 2』、吉増さんの演題は『水の都市−龍之介と鏡花』、控えめに「新作シネマ(予定)」ともあった。

入口で今日の資料を渡される。表はいつものように手書きと切り貼りで埋めつくされたメモ、芥川の河童の絵が目を惹きます、裏は先日出た現代詩手帖2008年8月号に掲載された詩「たゞ残るこうべれて 四川で亡くなられた方々、ことに亡くなられた子らに。」のコピー、日本近代文学館のスタッフの方たちへの謝辞。

場内に入るとステージ上に大きなスクリーン、これはこの会場に備え付けのやつだ。凄い立派なお披露目だなあ…去年のこのステージではCineのお披露目はなかったのよね、3月に亡くなったばかりの島尾ミホさんを偲んでお話をされたんだった…などと思い起こしつつメモを読む、と、なんと今朝方マリリアさん(吉増さんの奥様)のご尊父が亡くなられたとのこと、リオデジャネイロのマリリアさんから東京の吉増さんのケータイに電話があったと、それで気が動転したものか、その時に撮った芥川の遺書(日本近代文学館)の映像は撮影に失敗していたと…なんという。4月の四谷ひろばの時も海外の近しいご友人を亡くされたばかりだったなあ…吉増さん…。

それでも講演は予定通りに始まって、吉増さんはいつもの出で立ちでおいでになって(でもピンチハンガーもカチーナドールも若林さんの銅板も何もなしだ)、お話を始められた。昨年、ここで島尾ミホさんを偲んでお話しして、それを終えてロビーに出ると長椅子に女の人がひとり腰掛けていて、それがミホさんの長女、マヤちゃんだったんですよ…いらしてたんですここに…とおっしゃった。これ、なんにも知らない人が聞いたら「ふーん」ですけれど、マヤさんはミホさんが亡くなる数年前に亡くなっているのですよね。吉増さんはそこまでおっしゃらなかった、ただ去年のあの日、この場所にマヤさんがいらしたことを思い出されてその事をお話しになっただけなのだ、と思う(そういえば島尾敏雄さんの『「死の棘」日記』が文庫化されていて店頭で見てびっくりした。一方、島尾さん一家が暮らしていた奄美大島の分館長住宅、鹿児島県立図書館奄美分館の分館長住宅は取り壊しになるとの情報がmixiにあがっていたな。何がどうなっているんだろう)。

そしてCineのお話、これじゃあゴーゾーシネになっちゃうんだけどとおっしゃっていたけれども、正式にDVD作品としてリリースされることが決まっていて今日置かれていたそのチラシによれば「DVD + Book『キセキ−−gozoCine』」だそうで、DVDはミホさん追悼の奄美フィルムまで19篇を収めた約190分、Bookの方は「25名余の執筆者によるgozoCineをめぐるエッセイ、評論、座談会などを資料・図版とともに収録(A5判、約200頁)」で予価7000円とのこと。思わずバクチク時代を思い出して唸ってしまった。未だにところどころでバクチク的経済尺度から抜け出せないんだよなあ。閑話休題。

このタイトルにもなっているキセキというのは吉増さんが使っているパナソニックのデジタルビデオカメラのファンクションだそうで映像が尾を引くように映るのですが、吉増さん曰く、今日会場に来る前に階下のビックカメラに寄ってみたらば(よみうりホールは建物の7階にあって6階から下はビックカメラ有楽町店本館)今販売されている機種にはキセキというファンクションはないとお店の人に言われたと。あらー。吉増さんはしきりに技術が進歩したおかげでシロウトでもこうして編集せずに作品を作れるようになったー凄いことだよーと語っておいでなのだけれども、進歩していく一方こうしてなくなっていく機能もあるのだよなあ…吉増さんがこのビデオカメラを手にしたときにキセキというファンクションが備わっていたのは大した巡り合わせであったのかも知れない…巡り合わせって時々本当にとんでもないもんな。オイラが吉増さんに出会ったのだって大した巡り合わせだし、これをこうして書いていることも、それをこうして読んでいる(読まれている)ことだって大したもんだで。ねえ。

そして芥川、その詩心、うた(このあたり何とおっしゃったかな)、は信頼できる、と吉増さんはおっしゃった、その確信はこれまでずっとあったと。そして佃のs弥陀側(うわすっげえ!)いや隅田川の映像を撮られて(今回はマルグリット・デュラスの「インディア・ソング」の音楽がBGMだった。この映画、「去年マリエンバートで」みたいだなと思ったら同じ女優さんが出てるのね)…音楽がやたらに大きく聞こえたせいか、これまでのCineとなんか違う印象なんだよな、なんでだろう、ホールが大きいせいかしら………しかしこうして今日の事を思い出して書いているとなんか変だぞ、元々、吉増さんがメモを書いて映像を撮ってまたメモを書いて、という流れがあって(これって流れか?)、それを辿るようにして壇上で吉増さんがお話されるのだけれどももうその時点でいくつかのことが違ってきていてそれを更に被せてなぞるみたいなことに会場ではなっていて、それをまた思い出しつつ書くもんだからもう。いかん。なんか今日は違うわ。変だわ。って、これまでも吉増さんをおっかけてるといつもこういうことになってたはずなんだが。なんだこりゃ。おかしいなあ。

うん、ともあれ、昨日龍之介フィルムを撮り始めて、今日更に遺書を撮影しようと駒場の近代文学館に行ったらマリリアさんが泣きながら電話をしてきたと、他の人の前ではそんなふうに泣けないだろうからとおっしゃっていたのがやけに残っている、そうして、ブルーの縁取りの原稿用紙に書かれた芥川龍之介の遺書をフィルムに(フィルムに?)収めたつもりが撮れていなかったと。それから、お蔦さんのほおずきの連れ弾きのこともまた。そうして上映だったかしら。吉本隆明さんの詩の話も少し。

それから最後に、もう詩は書かないー頼まれて書く原稿なんていやになっちゃったんだーと言ってきたけれども現代詩手帖から四川大地震で亡くなられた方々に捧げる詩を書いて欲しいと依頼されて、そんなものは簡単には書けやしません…と思っていたけれど向こうからやってきたのだと。そうして、その詩を読まれた。力を入れて読まれた。「貴公(李白のこと)」を「おまえさん」と読まれた。今月の現代詩手帖は四川大地震追悼の特集で、他にも名だたる詩人の方々が作品を寄せているのだけれども、こうして聞いてしまうと…いけないな。吉増さんは特別過ぎる。どうぞ、お体くれぐれも大事になさって下さい…マリリアさん、どうぞ、どうか…ご無事で。

次のコマは糸井重里さんと中沢新一さんの対談で「吉本隆明と東京」、中沢さんはともかく糸井さんと吉本隆明さんというのは意外だったのだけれども、吉本さんの講演を保存する活動というのをやってらっしゃるそうで、そんなあたりのお話を。つーかもうまるっきり勉強してませんすみませんという気持ち。ホントにすみません。なんもわかってません。みなさんが笑うところで笑えません。ああもう。シャンデリアとかコムデギャルソン論争とか藤田まこと論とか(マジすか)なんもわかりません。

だもんで、思いっきり話の途中で予定の時間がきて「時間だから終わり」と糸井さんが言ったら場内の空気が「笑っていいとも!」でテレホンショッキングのゲストが「次のお友だちを」と言って御祝儀モードでなく本気でお客さんが「えーーーー」となった時みたいになって、それじゃみなさんさえよければこのまましゃべりましょう、となって、うーむこのまま拝聴してもいいことはいいんだがでもなーなんかなーという気分になって、トイレ休憩と称してお二人が無駄話方向に向かわれたところで退席した。それにしても今日は1コマ目も2コマ目も殆ど満席でしたな。盛況で何よりでございます。

あ、吉増さんのメモはモノクロコピーで配布されたのだけれど、このカラーコピーを希望者にお送りくださるというのでハイハイと尻尾振って申し込もうと思ったら片面300円ですと。どんだけですかそりゃ。表と裏で600円ですことよ。桁ひとつ間違っちゃいませんかえ? 払いましたけど。あー超グレートなコピーっすよー。マジ、パねえっす。日本近代文学館最強。

ほんで久し振りの家電量販店だもんで、1階ずつゆっくり見ていこーとねぶねぶしていったら、エスカレーターを降りてある階に着いたところに見覚えのあるお姿が…がくぽさんじゃないっすか。なんでも、ここでがくっぽいどのデモ演奏をするらしい。ほほー。そんなんやるんだなあ。せっかくなので見る事に。

これでもかとばかりに積み上げられたがくっぽいどのパッケージの山に薄型テレビのモニター、横にセッティングされたキーボードとノートパソコン、少し離れたところにもがくぽさんの山…って、なんか初音ミクもいる…うわー、MEIKOとKAITOのパッケージ初めて見たー。ホントにあるんだあ(失礼な)。ムービーが流れてますが、がくぽさんが寝っ転がってるだけです。ナスと一緒に踊ったりしません。ちえー。

デモはお兄さんがパソコンをいじりながらソフトの説明。歌詞と音程を入力するだけで簡単に実在のボーカリストであるGacktさんの声で歌を歌わせる事ができますーと。はいはい。試しにちょっと聞いてみましょうーと何曲か予め作ってあったファイルを再生…って、えええええ。なんかこれすっごいぞ。「ポリリズム」とか。「島唄」とか「Lovers Again」とかも流してましたが、公式で公開されてるデモどころじゃないクオリティなんですけどもっ。あれががくぽだと思ってたら大間違いじゃないっすか。うちのPC環境が貧弱だからか? いやあ、これはそんだけじゃないだろー、メーカーの本気ってやつですか? なんかもう、ワンフレーズ終わる毎に拍手しちゃいたくなるような熱唱なんだもん。これ本人の生声なんじゃね?ってなくらいに。マジ、パねえっす。近くで聞いてたフツーの人とおぼしき女性が「凄いですねえ」と感心してたが(あれが仕込みだったら逆に感心するわ)ホントに凄い。なんつーかもう、情感溢れる歌いっぷりなんだわ。元の声質もあるんだろうか…あやうく買いそうになりましたが、うちのパソ子ちゃんのスペックではお迎えできないわー、残念。ニコニコ動画では早速仕事しまくりのがくぽさんですけども、これは思った以上に盛り上がるかもわからんね。ヘァ!ヘァ!

(朗読とかもいいかも、官能小説とかな。個人的にはソフバさんの「Ego Dance」とかいって頂きたい。このくらいの音域がよさげなんじゃないかってのと、単に好きなのと。本人歌わんかなーこれ)

そういえば、がくぽさんの近くでSKNETのアレ売ってたなー。「今、インターネットで話題騒然の!」とお店の人が声を張り上げてましたが、知らない人にとっては何で話題騒然なんだかさっぱりわからんじゃろうて。つか、声を張り上げて売ってる状況って。10台限定入荷だそうで、オイラがうろちょろしてる間に1個減ってました。うちは地デジどころかBSも入らない電波弱者ですし、そもそもテレビ見られるようなスペックじゃないし、「自己責任」が必要な領域に足を踏み入れるような力量もないし。14800円だったから、事情を知っててゲットできた人はラッキーだったかもにゃー。

2008年8月3日(日曜日)

漫画家の赤塚不二夫氏死去 「おそ松くん」「天才バカボン」(産経新聞) - Yahoo!ニュース

 「おそ松くん」「天才バカボン」などで知られる漫画家の赤塚不二夫(あかつか・ふじお、本名・藤雄=ふじお)さんが2日午後4時55分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。72歳だった。

うちの両親が離婚したのはオイラが小学1年生の時で、父とは月に1度くらいの割合で会っていた、つもりだったのだが、だいぶ経ってから母に確認したところ、年に1度あるかどうかといったところだったらしい。そのあたりの話をするとあからさまに母が不機嫌になるのでそれ以上は聞かなかったが、自分の中では「ちょくちょく会いに来てくれる優しいお父さん」であった。

父とのデートコースは決まっていて、デパートの食堂で小倉ホットケーキなんか食べてから屋上で乗り物に乗ったりゲームしたりなんかして遊んでラストには本屋でマンガを買ってもらうというのが定番だった。

この時に買ってもらったのがなぜか赤塚不二夫さんのマンガで(自分で選んだのか父のセレクトだったのかは覚えていない)、少女ものから不条理ギャグまで節操がなかった。少女ものの方で覚えているのはしっかりものの女の子が主人公の話、工場で働きながら幼い弟妹の面倒を見ている女の子、普段はとてもお財布のひもが固くて弟妹が何かねだってもおいそれとは買ってくれないお姉さんなのだけれど洋品店のウインドウに飾られているお洋服に憧れていてお金を貯めていつかこのお洋服を買おうと頑張って毎日働いている(このあたり、セリフはなくてウインドウを見つめる女の子のカットだけ)。途中、金持ちの感じの悪い女の子が出てきて「あたしならこんなのよりもっとステキなお洋服をたくさん持ってるわ」的ないやみを言われたりもするのだけれど、とにかくへこたれずに働いて、ようやくお金が貯まって洋品店に赴くとあのお洋服がなくなっている。お店の人に聞くと売れてしまった後で、一点ものだったので色違いもない。店を出た女の子は一緒にいた弟妹に「あんたの欲しがってたおもちゃ買いに行こう」「ひな鳥の蒸し焼きも買っちゃおうか」と言いながら去っていく。余計な描写が一切なくて印象に残ってるんだよなあ。ひな鳥の蒸し焼きも食べてみたかった、紙袋に入ってるんだよな、それがやけにおいしそうで。昔は町で売ってたんだろうか。少女ものにはこういう働く女の子の話が多かったような気がする。そういう時代だったんだな。

ギャグの方はかなりひどかった。夏、暑くて暑くてどうしようもなくてただ外をふらつく男がいろんな人とすれ違うという話、のどが乾いてひいひい言っていると向こうからヤクルト売りがやってきて、男「ジョ〜ア〜、ジョ〜ア〜、だ〜れの〜も〜の〜」、ヤクルト売り「き〜みの〜も〜の〜」と言ってジョアをゲット。これ、当時流れてたジョアのCMで小柳ルミ子さんが歌ってたのよね、サンバ調のちゃかちゃかした曲で。今でも歌えるぞ、感じる感じる幸せ感じるあ〜さ〜。んで、オリジナルでは「ジョ〜ア〜、ジョ〜ア〜、き〜みの〜も〜の〜」なのがただの「き〜みの〜も〜の〜」になっていたのでさっぱりしなかったのと、のどが乾いてる時にジョアはあんまり飲みたくないんじゃないかなあとか、ちょっとした事がとても気になっていたっけな。男はあまりの暑さにどんどん頭がいかれていって、しまいには「頭から脳みそを出しちまえ」とか言って自分の頭を切って脳みそを取り出してしまうというとんでもない話だった。でも、登場人物がみんなぐんにゃりしていて、アスファルトがぐんにゃりするようなひどい暑さが伝わってくるような妙な感じがして繰り返し読んだ記憶がある。今じゃ出版できないんじゃないかと思うような危ない話もあったよな、結構気軽に人を殺したりしてたもんなあ、目ん玉つながりのおまわりさんが拳銃をパンパン打つとそこいらにいる人にどんどん当るし。

度重なる引っ越しであのマンガはどこかにいってしまったけれど、赤塚不二夫さんというとあの対照的なふたつのお話を思い出すのだった。どうぞ安らかに。

2008年8月4日(月曜日)

蝉がわんわん鳴いてる。東京の町中にも潜るところがあるんだなあ。

と、夏真っ盛りというわけで、最近JRの電車やホームでポケモンスタンプラリーに興じているちびっこ達をよく見かける。

オイラが参加した第1回は1997年、もうあれから11年も経つのかあ。あん時ゃ大変だったなー、東京都区内の30駅を2日でまわらきゃいけなくて、それがまた区間の端から端の設定だったもんで朝早くから始めてちくちく回って、スタンプ台に列ができてたりなんかすると次の駅への乗り継ぎがうまくいかなくなってラリーが完遂できなくなりかねないというシビアなもんだった。乗車券とスタンプ帳がセットになってて土日のみの開催だったから余計に混雑したんだよね、子供より大人の方がムキになっちゃってホームを全力で走ったりしてな。炎天下の東京を駆けずり回った二日間…田町で1時間並んだんだったかしら。

どうやらあれから方法が色々変わってるようで、今年はこんな感じ。

今年は、首都圏の95駅に全部で95種類のポケモンスタンプを設置。

ひょーえー。95種類!

専用パンフレットのスタンプ欄に6駅のポケモンスタンプを集めてゴール駅に行くと素敵な賞品がもらえます。

ん? 6駅?

6つのスタンプが集まったら、ゴール駅のラリーカウンターへ。
参加賞品:JR東日本オリジナルポケモンネックストラップ&ラリー記念スタンプ帳、さらに(株)ポケモン提供のピカチュウサンバイザーがもらえます。
※ゴール駅は、東京・品川・新宿・池袋・上野・松戸の6駅です。

あー。ピカチュウの紙帽子を被ってる子がいたのはこれかあ。まずは6駅をクリアしてスタンプ帳をもらうのね。そんでそんで?

ラリーゴール時にお渡しする「ラリー記念スタンプ帳」は、95駅全てのスタンプが押せるようになっています。各駅のスタンプは8月17日(日)まで設置しますので(設置時間:朝9時30分から16時00分終了)、たくさん集めて楽しい夏休みの思い出にしましょう!
なお、全てのスタンプを集めたお客さまには、もれなく「JR東日本オリジナルピカチュウ貯金箱」をプレゼント。さらに抽選で、最新ソフト「ニンテンドーDS用ソフト『ポケットモンスター プラチナ』」(9月13日発売予定)(賞品提供:(株)ポケモン)が30名様、ぬいぐるみ(ポケドール)(賞品提供:(株)ポケモン)が50名様に当たります。

んー、なるほどなあ。ってえことは、スタンプ帳をコンプリートするには最初の6駅はもう1回まわらなくちゃいけないの?

専用パンフレットの6個のスタンプは、再度スタンプ帳に集めなくても大丈夫です。 ただし、スタンプ帳を送る際に、6つのスタンプの押された専用パンフレットも一緒に同封するか、切り取り線に沿ってパンフレットから切り離しスタンプ帳の専用ページに貼り付けて、応募してください。95種類のスタンプが揃わないと応募が無効となります。

ほほー。でも、どうせならパーフェクトにいきたいよね…ってすっかりその気じゃないか。いやあ、就職活動であちこちまわるついでに結構埋まらないかなーと思って…って、ええええ、マップ(pdf)見たらばアンタ、千葉とか土浦とか大船とか、果ては熊谷まで! ただでさえ暑いこの夏に、日本で一番あっついところに行けってか! しかも待ち構えるのはミュウツーだし!(秋葉原がピカチュウなのは電気街だからなんだろうか)

つーかJRだけじゃなく東京モノレールまで入ってんのね、ANAのキャンペーンとも連動してるし。抜かりないなー。子供たちはそんなのお構いなしで楽しいだろうけどね。暑さに気を付けて楽しんでおくれー。

2008年8月6日(水曜日)

東京に来てからビッグイシューという雑誌を読むようになった。「ホームレスの仕事を作り自立を応援する」というこの雑誌、店頭売りはなく、駅前などの路上でホームレスである販売者さんが売っている。仕組みはこうだ。

定価300円の雑誌(※)をホームレスである販売者が路上で売り、160円が彼らの収入になります。最初の10冊は無料で提供し、その売り上げ(3,000円)を元手に、以降は1冊140円で仕入れていただく仕組みです。

(当初は定価200円でそのうち110円が販売者の収入になっていたとのこと)

最初にビッグイシューのことを知ったのは新聞だか雑誌だかテレビだかラジオだか思い出せないが、なんとなく気になってはいたけれど買う機会がなかったというかどこに行けば買えるのかわからなかったんだよな。それが、東京に引っ越してきてからしばらくして『「ビッグイシュー日本版」に「ザ・シンプソンズ」の記事が掲載されました』というブログ記事を見て「あー、あの雑誌かー」と、さっそく販売場所をチェックしていそいそと買いに出かけたというわけ。

で、この雑誌、面白いんである。

ホームレスの自立支援という目的も個性的だけど、表紙から裏表紙に至るまで全てのページがしっかりしている。読みごたえがあるというのかな。傾向としては人権や環境などの社会問題を取り上げる事が多いように思うけど、たまに「今ここにある愉悦 ── お風呂で生まれ変わる」とか「都会の道草生活 ─ コケ、道草、フルーツのタネ」なんて特集もあったりして、その振り幅が自分には心地よい。1日と15日の月2回発行というペースも読むにはちょうどいいんだよなあ。

バックナンバーのお薦めは87号。人気コーナー「ホームレス人生相談」の拡大版で、1冊まるごと人生相談という思い切った構成。読者から寄せられた相談に対して販売者さんが答え、料理研究家の枝元なほみさんが独自の視点から料理を提案。これが実に面白い。

表紙にはミュージシャンやハリウッドスターが並んでいるのだけど、ジョニーデップが表紙の号は漏れなく売り切れてますな。ジョニデファンすっげえ。

8月1日発行の最新号は第100号。街角で見かけたら声をかけてみて下さい。

2008年8月16日(土曜日)

最近、ビデオの録画予約の開始時刻が微妙にずれる。なんでだろう、ちゃんと自動時刻合わせにしてるのになあと思ったら、時刻合わせに設定しているのがNHK教育テレビのお昼の時報だったことに気がついた。ここんとこずっと高校野球中継だもんなー。

ジャスト時刻にオープニングなしでいきなり本編が流れるアニメだと頭が数秒でも削れるのはかなりがっかりなので(アニメかい)、マメに時刻合わせをしなければいかん。

でもそれももうすぐ終わりかな。こうやって夏が暮れていくー。

2008年8月17日(日曜日)

コミケ行ってきたー。冬行かなかったから1年振りになるのか、3日目は。1日目と2日目は猛暑のため断念したけど今日は色々外せないお目当てがあったから踏ん張らねば、と思ったらびっくりするくらい涼しくて楽だった…ビッグサイトに一歩踏み込んだ途端に熱気と湿気がむわっときたけどな。

今回は面白そうな企画本がいろいろ出てて、中でもなんとあの三峯徹画伯が裏表紙に登場したエロマンガ大全「淫漫王」とかね、ちょっと見ただけでもえっらい面白いでやんの。困るわー。こういう、同人誌ならではの企画物って楽しいなあ。作る側の真剣さと楽しさがわかるような本は読む方も楽しいやね。あー本作りてえ。って何をだ。特定のジャンルに属してないといかんともしがたいな。そのうちまた何か書きたくなるかしらん。

帰り際、場所変更になったコスプレ広場も見てきました。RD潜脳調査室ホロンさんがいたわー。もっとたくさんいるかと思ったけどお見受けしたのはお一方のみ(殆ど普段着なのですれ違ってもわからなかったかも)。撮影者さん達もみなさん気合いが入ってて、オイラも写真撮りたかったけど携帯電話じゃ失礼かなーと思って気後れしてしまった…いやしかし目の保養になりました。あと20歳若かったらホロンさんコスしたかった(せんでいい。つか30歳若かったらリアルユキノだな)。ホロンの嫌な顔本とか読みたかったんだが(アンドロイドであるホロンさんは人間に対して不快感を与えるような動作はしないようにできている。が、機能としては「嫌な顔」もプログラミングされている。というエピソードがありましてね。通常は見る事のできないホロンの嫌な顔…絵師さん達は描きたくなるんじゃないかしら。うなれ妄想。それを集めた本はないのかしら。あったら買う)、新作アニメは本を探すのが難しい…今回はpixivにお世話になりました。冬はもっとRD本があるといいなあ。エロだけでなくほのぼのや愉快なのも読みたいおー。つーかRD好き過ぎだ自分。いやホント好きなんだ。久島ソウタ書記長も。って、久島さん、オイラより年下なのか…なんだろう、このもやもやは…(何かが間違っている)。閑話休題。

コスプレでは鏡音リン・レンが多かったな、コスプレ広場だけでなくあちこちで見かけました。初音ミクもたくさんいたけどリン・レンの黄色は目に飛び込んでくるのよね。

そういえば、入場時に手荷物検査を行うとアナウンスされてましたがオイラが入場した12時半頃にはやってませんでしたな。看板は出てたけどね。

それにしても毎回思う事だけれど、あれだけの尋常でない人数がごっぱり集まってるってのに致命的な混乱が起きないってのは大したもんです。コミケ慣れしてない参加者が増えたと言われる昨今だけれど(そういう自分もここ10年くらいしか知りませんが)、あの場に行くとなんつーかもう全てがコミケ色に染まってるというか、ここではこうなんだという毅然とした空気感が漂ってる感じが(って、一般参加の時は開場前から並んだりせずにのんびり出かけた事しかないんだけども)。スタッフの尽力もさることながら、詰まるところ各参加者の行動に最後は委ねられるわけで。そういう、体でわかる部分を伝えて行けるかどうかがコミケ存続の肝なのかな。ともあれ、参加したみなさん、お疲れさまでした。

2008年8月18日(月曜日)

パソコンのメモリを増設した。5年前に買って256MBのまんまで使ってきたけれどここんとこどうも反応がよくなくて。今はいくらくらいするのかなあと検索してみたらバルク品の512MBで1600円とか。すっげー。昔とは桁ひとつ違うなあ。メーカー品じゃないとこんなもんかしら?

ケースを空けて中を軽く掃除して、ゲットしたメモリをがちっとな(面倒だったので空きスロットに1枚追加しただけ)。電源を入れると、おお、立ち上がりが早い。終了も早い。ブラウザ立ち上げてアプリ2つ3つ動かしてもうんうん言わない。こりゃ楽だわー。

これで快適にこのマシンを使い続けられますよ。もうしばらくよろしくね。いいこいいこ。

2008年8月20日(水曜日)

Gが出た。泣きたい。

でもなー、ねずみが出るくらいなんだもの、Gが出るのも無理からぬ話で。そうだよな。うん。しょうがない。くー。

いっそ見なかった事にしたいけど、本当に知らないまんまでいたらそれはそれで嫌だ。うっわ。凄いヤだ。黙々とホイホイだのキャップだのを仕掛けて、あとは消えてくれる事を願うのみ。ああああ。

2008年8月24日(日曜日)

COMITIA85でお買い物〜。幸せ。だけど困る。でも幸せ。

同人誌即売会に参加するようになってかれこれ10年ほど経ちますが、イベント中にお金が足りなくなってATMでお金を下ろしたのは初めてだ。予算大幅オーバー。それも使い切ってしまって、持ってったバッグがぎっちぎちになってそれ以上詰められなくなったので仕方なく諦めましたが、持って帰れさえすればまだ買ってただろうなあ。うちに帰って来てみたらコミケの2倍量買ってた。うーん。コミケも楽しいけどコミティアはまた違った嬉しさがある。創作っていいよなあ、みたいな。これまで読んだ事のない本でツボにはまるのを見つけるとそこの既刊全部買っちゃうんだよなあ。その後でスーパーに買い物に行ったら割引だからって缶詰12個も買っちゃって。バカか。買いまくり脳おそるべし。

でも幸せだ…本まみれだよ…うふ……うふふふふ………。

2008年8月30日(土曜日)

お店の傘立てに傘を置いて買い物済ませて出ようとしたら無くなってた。むー。雨降ってなかったから困りはしなかったけど。

そう。雨降ってなかったのよ。なんで雨降ってないのに他人の傘を持ってっちゃわなきゃならなかったのかね? オイラが珍獣だからなの? グレイトなブランド品ならともかく、しょぼいコンビニ傘ですぜダンナ。ワンタッチですらないのよ。謎だわー。

*

骨髄バンクにドナー登録しました。前からしたかったんだけど、うつの治療中は薬が抜けなかったし体重も基準値を超えていたし(ひでえ)で出来なかったんだ。こっちに引っ越してきてから新宿の献血ルームに通うようになって、そこで骨髄バンクのドナー登録も出来るようだったので思い切って。登録するのは採血だけで済むんだよね、献血のついでに出来るの。簡単じゃないか。これ、もっと広報したらいいのにと思いますよ、登録するのもなんか大変そうってイメージあるもんなあ。

オイラの行きつけの献血ルームではドリンク飲み放題にお菓子食べ放題、献血出来た人はスペシャルメニュー(アイスクリームやプリンやドーナツ)も頂ける。曜日によってはマッサージだの占いだののイベントも。大したサービスだなあ。そのせいかどうかわからないけど、平日の午前中でも結構人がいる。若い人が友達同士で来てるのが多いね。カップルもいる。

オイラの血管は細いらしくて、いつも献血前には温かい飲み物を飲んでおくように言われるのであった。うーむ。ここ数回は採血結果で弾かれることもなく(数値が足りなくて献血出来なかったことが何度かある)順調だ。献血行こうと思うと食事にも気合い入るもんな、ほうれん草とかレバーとか食ってな。それで健康が保てるんなら結果オーライ。

ところで献血のマスコットキャラクターはその名も「けんけつちゃん」というひねりもなんもない名前なのだが、好きな言葉が「ちょっとチクッとしますよ」ってのはどうかと思うんだ。語尾が「〜っち」なのはしずくちゃんに出てくるブラッド先生と同じだな。せっかく可愛いキャラなんだから、もっとうまく使ってアピールすればいいのになあ、絵本とかな。でも「ちょっとチクッとしますよ」じゃ性格付けが難しいか。むしろ腹黒の方向か。それじゃ誰も献血しねーか。うーむ。骨髄バンクの方にはキャラクターいないのね。やるとしたらこつずいちゃんか? それはどうだろう。

2008年8月31日(日曜日)

近所のスーパーで買い物して帰ろうとしたら雨。あちゃー、傘持って来なかったお…すぐには止みそうになかったので店頭に出ていた傘を買って帰って来た。

むう…ひょっとして昨日傘が無くなった事と関係あるのかしら。誰かが今日このタイミングで雨が降る事を知っていて、オイラを困らせようとして傘を持ってった?

いや、誰かが今日このタイミングで雨が降る事を知っていて、その時に自分が使うためにオイラの傘を持ってったのか。そんなら自分で買って下さいよってんだ。なにその無駄な能力。

どのみち、他の人の傘を持ってっちゃうのはやめましょう。

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