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slip into chaos - バクチクについて

(記:2007年01月03日)

1998年5月の武道館公演を見て以来、坂道を転げ落ちるような勢いでずぶずぶとはまり、こうしてサイトを開く一因ともなったバクチクというバンドについてですが、自分のスタンスが以前とはもう随分と変わってしまったのでその事について書いておきます。うちのサイトがバクチクのファンサイトであり、まるぱがバクチクファンであると認識されている方へのご説明でもあります。

昨年の年初から色々な事が重なり、それをきっかけに自分とバクチクの関係について自分なりに考えてきましたが、ファンクラブオンリーのライブが「もうファンではないな」と実感する決定打になりました。そもそもの要因は自分の中の思い込みが強過ぎた事です。その思い込みとかけ離れた様々な事柄に遭遇した結果、もう自分はこのバンドに対する情熱が持てないのだと自覚しました。2005年のよかった探し2006年のよかった探しを見比べて、随分変わったものだなと心底思いました(はてなのBUCK-TICKグループはもうありません)。

これまでバクチクを通じて知り合ったりお世話になってきた方々へは心から感謝しています。皆さんのおかげでとても楽しい時間を過ごさせて頂きました。本来であればおひとりおひとりにご挨拶を申し上げなければいけないところですが、誠に勝手ながらこの場からお礼を述べさせて頂くに留めます。これまで本当にありがとうございました。

以下に昨年のファンクラブオンリーについて掲示板に書いたものを再掲します。

2006/09/04(Mon) 04:11

FISH TANKer's Only って事でZepp東京に行ってきたわけですが、至って普通のライブで予定調和以外の何物でもなかったように感じました。
バクチクのライブでもう一度見たいと思わなかった事は初めてかも知れない。

これは最近自分が他の事に物凄く強い関心を持っていてバクチクにはあまりのめり込んでいないのが大きな要因かとは思いますが、以前ならどんな状態の時でもライブに行けば「やっぱバクチク最高だわ!」なり「なによこんなへっぽこバンドもう知らない!」なり、何かしらの情動があったのに今回はどういうわけかそれが微塵も感じられなかった。物足りないって言うんじゃなく、根本的な何かが欠落しているような印象。これはなんなんだろう。

センターで聞いていたのにとにかく音が悪くて、どうやったらZeppでこんな音が出せるんだと思うくらいバランスが良くなかった。最初なんて今井さんのギターなんにも聞こえなかったもんな。スタッフが変わったのかシステムを変えたのか自分の耳がバクチクに合わなくなったのか。今でも耳鳴りがします。Zeppって箱はこんな音しか出せないところじゃないはずなんだけど。照明は何も印象に残ってない。

ファンクラブオンリーの時はいつもそうだけど総じてお客さんが大人しくて、それなりにノれる曲もあるんだけどなんとなくエッジの効いた曲が少なかったからかなと思いました。曲数はやたらと多くて、さすがに弾数の多いバンドだなと思ったけれど、特に意図的な流れが感じられなくて印象そのものが凄く散漫。DTDの曲なんかは今聞いてもかっこいいと思うんだけど、なんつーか、これまでバクチクのライブで感じてきた訴求力みたいなものが一切感じられなくて、これは一体なんなんだろうと思うけれど今は自分ではわからない。

あっちゃんが終始笑っていたのは一体なんだったんだろう。事前に何かいい事でもあったのか、何かツボにはまるものでも客席に見つけたのか、久しぶりにファンだけを前にしてライブやる事が嬉しかったのか。どっちにしろ、歌ってても何しててもとにかく口角があがりっぱなしでそれが自分でも分かるのか時々後ろを向いたりしていたけど最後までずっとそんな調子で。雰囲気自体かなり温和というか柔和な印象で、以前感じていた圧倒的な存在感とかエロスはまったく感じられなくて、ファンクラブオンリーだからアットホームな感じなのかなあとも思ったけど前はオンリーでも強烈な存在感で有無を言わさず見る者全てを惹きつけるみたいな気迫でやり通した事もあったし。まあ、幸せに暮らしているならそれはそれで結構な事だなとは思うけれども、ライブに対するモチベーションの持ち方がこれまでとはなんか違うんじゃないかなという、そんな違和感を覚えました。

自分自身こういう感想を持った事についてちょっと戸惑っているのだけれど、他のお客さん達は大体みんな楽しそうで喜んでるように見えたから普通のファンにとってはいいライブだったんじゃないかと思います。

2006/09/11(Mon) 02:02

(FISH TANKer's Only 大阪)

「リハーサルが遅れている」という理由で開場は30分あまり遅れ、カメラチェックもなく2階のチケットチェックもなしで猛スピードの客入れ。

開演18:22、本編終了19:39
アンコール1開始19:44、終了20:11
アンコール2開始20:15、終了20:36。

やはり(と言っていいのかどうか)何も感じられなかった。
恋が終わる気分のようだと思った。
BUCK-TICKに落ちて8年あまり、色々な事が起きて色々な人と出会って、辛い事もあったけど楽しかったし、何より、それまで死んでいた自分に命を吹き込んでくれた事に心から感謝しています。
今でもBUCK-TICKはいいバンドだと思ってる。でも今の自分にとって何より大事な、必要なものではなくなっている。

とか言って、新作聞いてもろ手を挙げて「やっぱりバクチク最高!バクチクなしじゃ生きて行けない!」なんて言ってたら笑っちゃうね。
でも今は恋が終わっていく気分だなあ…8年経ってようやく変わり始めたんだなあ、自分。
しきりにファンに触れようとするあっちゃんを見てて、この人も変わったなあなんてぼんやり思いながらステージを眺めて、これが最後かも知れないと何度も繰り返し自分に言い聞かせていたけど何の感慨もわいてこなかった。我ながら薄情なもんだなと半ば驚きながら、もうこの中に戻る事はないんだなと思いながら、ラストのLOVE MEでフロア中が手を振るのを眺めてた。ありがとう、さよならって思いながら。
ありがとう、さよなら、大好きだったBUCK-TICK。

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