去年のBUCK-TICK武道館からちょうど1年、またしても「ろくすっぽ聞いたことないけど面白そうだから」という理由だけで出掛けてみました。
なんたって「当日は赤い服を着てお出掛け下さい」ですもん! こんな面白そうなもの、ほっとくテはないってもんです。ちょうど掲示板で「チケットが1枚余っているので誰か行きませんか?」という方がいたので渡りに舟とばかりにお世話になることに。Mさん、ありがとうございました〜。
JR有楽町駅から野音に向かって歩いていると赤い服を着て連れ立った人がちらほら見えて来てこれだけでもなんだか面白い。会場に着いてみるとみんな赤い! しかも手作り率多し。さすがグニュウファン、気合いが入ってるなあ。入場するのに列が出来ていて、新緑の中を赤っぽい集団がぞろぞろと移動する様もこれまた愉快。
中に入ってみると意外に会場が狭く見えるので驚く。そしてステージ中央にどーんと丸い赤い物体があるのが目に入る。遠くから見ると大きなバルーンのよう。これを客席に向かって放るのかな? と思ったけれど近くで見てみるとネットをかぶせて押さえつけてあって、よく見ると床から少し浮き上がっている! これ、一体どうするんだろう? わくわく。バルーンの左右には赤い雛壇。
わたしたちの席は前から2ブロック目のあさきさん側(向かって右)。スピーカーがやけに近い。どきどき。
ステージ脇からスモークのような白い煙が吹き出していてなんだろうと思ったけれど、後で考えてみるとあれはお香だったに違いない。とってもいい香りがしてました。香を炊き締めた会場。野外なのに!(と思ったけど、どうやら草木の香りだったような)
お客さんは圧倒的に女の子が多くて男性はほんとに少ない。みんなかなり凝った衣裳で、痴れ者ふうに着崩した着物の人もいればパジャマの人も。かみなりさまみたいな赤いカツラなどかぶりものも多い。
グッズのコーナーでは赤いTシャツもあって、一緒に行ったMさんは早速これを購入。マキシシングル『真鍮卵』のジャケットの絵がモノクロでプリントしてあって、なんともかわいいんだこれがまた。わたしはパンフならぬフォトブックを購入。これがまたことごとくツボにはまる。面白〜い!
開演を待っていると見知らぬ人に「アンコールの1曲目でこれを振って下さい」とポンポンの元?を手渡される。赤いスズランテープを束ねて切ったもの。学園祭か体育祭か、ってな感じです。あれは私設ファンクラブの人なのかな?そういえば列に並んでいるときもこれをぴりぴりと裂いている人がたくさんいたな。グニュウにポンポン、面白そう〜。
そんなこんなでやっとこ開演! 登場したあさきさんの髪の毛はなんと緑! そうきたか! でもって鼻から下は黒いマスク、と思いきや実は黒く塗っていたみたいです。ひゃ〜面白い! あさきさんのコスチュームは身頃が赤で袖が黒の上着にちょっとくすんだ感じの臙脂色のようなズボン。
オープニングは『真鍮卵』の3曲目「Case of Destruction」。インストゥルメンタルで始まるなんて『SEXTREAM LINER TOUR』みたいだな〜。この曲の演奏中、大きなバルーンの後ろでは白い幕を張ってひたすらごそごそ。この様子が結構良く見えたので、「ここからフルフルが出てくるんだ!」とものすご〜く期待が高まる!
そして曲が「真鍮卵」に変わったとき、掛けられていたネットがはずされバルーンがふわーっと浮かび出すと、なんとそこには吊るされた古川さんの姿が! バルーンから繋がった綱で古川さんが引っ張られてふわーっと浮いている。もうすごい歓声。
吊るされて浮かんだ古川さんは赤い長めのひらひらした感じの上着に皮?のズボン。頭は白っぽくぼさぼさーっとした感じでなにやら赤い飾りがついている。一瞬「山姥?」と思ってしまった。ぴょーんぴょーんと飛んでマイクスタンドのところまで辿り着きようやくマイクを握って歌い出した古川さん、ものすごく大変そう。バルーンはかなり浮力がありそうで、向きを変えたり立っているだけでもすごそうなのに、床に座り込むみたいにしたり色々と動き回る! まるであやつり人形のよう。
ひょっとしてずっとこのまま? と思ったら、数曲歌った後バルーンの取り外し。これも結構大変そうだった。山姥ライクに見えた古川さんのコスチュームは黒いアクセントが入っていて、後ろから見ると魔法使いチック。
途中少しずつMCをはさみながらも後は怒濤のように曲曲曲。バスドラが「どんっ」と鳴るとスピーカーから「ばふっ」と風が吹いてくる。ドラムがかっこよくて気持ち良かったな〜。ダンサーの人の動きも面白い。
始まったときにはまだ明るかった空が1曲終わる毎にだんだんと暗くなっていくのがわかって、野外ってこういう楽しみもあるんだなあと実感。
あっと言う間に本編が終了、準備しておいたポンポンを振りつつアンコール〜。「楽しいよね〜」などと言いながら3回もアンコールに応えてくれた! いい人達だ〜。
で! 3回目、ラストのアンコール曲はなんとあのFrankie Goes To Hollywoodの「relax」!!! なっつかしー!!! 80年代ですよ、物議をかもした1曲ですよ。狂喜乱舞するわたし。そうか〜、同世代なんだなあ。一気に高まる親近感。まさかグニュウのライブでこれが聞けるとは。かっこよくてノリが良くて、これだけでも来た甲斐がありました〜。
帰りの電車の中でふと気付くとふんわりいい匂い。あのお香の香りが赤い服に移っていたんです。こういうふうにライブの余韻を楽しむことが出来るとは…。これも計算の内だったのかな〜?
古川さん、あさきさん、また面白いことしましょうね〜!
(1999.05.10)