2001/6/3 Zepp FUKUOKA
開場を待ちながら、さて今日はどうしようかと考えていた。レイ氏と櫻井さんの絡みが見たければレイ氏前、でも今井さんをしっかり見たいという気もする、今井さん前ならArianne嬢のキュートな姿もばっちりだし、でも中央に陣取って右も左も欲張って見るのもいいか………などと散々考えるも結論が出ないまま開場。横浜では早い番号は20番おきくらいに区切って入れていたけれど、今日は作った列をそのまま進めての入場。気が急く。会場内に飛び込むと1列目は既に埋まっていて、中央のバーを越えて櫻井さんのマイクスタンド正面2列目に陣取る。今日はたっぷり櫻井さんを拝むことにしましょう。
BGMは、アンビエントだけどちょっとポップな雰囲気も持ちつつ、という感じの曲が続く。割と早い時間にスタッフの人がお水を持ってきて櫻井さん後方のドラム前に置いていく。氷は入ってない。ステージにセットがないのは横浜と同じだけど今日はステージが広い。レイ氏と櫻井さんのマイクスタンドもちょっと離れて立っている。
ふと見るとマイクスタンドの足元にはモニターが2つずつ、その間のステージ中央にはビニールシートがかけられたちょっと大きめのモニターがどんと置いてある。正面には前に出て来れるような隙間がないのだ。今井さんとレイ氏、櫻井さんとBryanの間にしか空間がない。お触りを狙うならこの辺りだったか。マイクスタンドの前にはライトがあるのだけれど、レイ氏の前には1つなのに櫻井さんの前には種類の違うのが2つ並んでいる。あら? 女優ライト?
Bryanのところは正面がキーボード、その左側にはパソコンの液晶モニターが2つ見える。
レイ氏の後方にはお水らしきペットボトルが並べてあって、そこへスタッフの人が缶ビールを4本追加。アサヒスーパードライ350ml缶でした。Zeppのスポンサーだったっけ。
スタッフの人が鳴らすドラムのどん、どん、どんっ、という音に思わず頷く。よし、今日のドラムは鳴りがいいぞ。
そしてじっとBGMがベートーベンになるのを待っていたけれど今日はいつまで経ってもアンビエントのまま。やがてスモークがもくもくと焚かれ目に滲みるくらいになってきた。客電は一気に消えずに少しずつ落ちた。
スモークの中を、ソプラノの声と共に青緑色のライトが幾筋も流れては消えていく。ゆらゆらと、真夏の夜の夢といった雰囲気。そしてBryanからメンバー登場、Andrewのお出ましに「アンディー」と声をかけると手を上げて応えてくれた。Arianneの衣裳は黒のビキニに袖付きのトップ、ボトムはミニスカートのような前掛けのような。おへそを出して今日もキュート。Julianeは淡々と持ち場に着く。
レイ氏登場、テンガロンハットにサングラス、ショート丈の黒もこもこジャケットにパンツ。股間にはプロテクター? 謎だ。それはそれとしてかっこいい。あっ、今井さんのデスメイクがない。ほっぺたにB-Tもないのでナチュラルモード、衣裳は横浜と変わらない感じ。そして現れた櫻井さんは今日もちょんまげ。さらさらストレートな上に張りのある髪なので、結んだところがしっぽみたいにぴょんとなっていて可愛いのなんの。でもサングラスが決まっていてびしっとかっこいい。かっこかわいいとはこの事か。横浜のアンコールで着ていたと覚しき、襟元にもこもこのついた黒のロングジャケット。あ、インナーTが違う。幾何学模様のようなモアレ図形のような白い細い線がたくさん走っていて地の色は緑っぽかった? 胸のところに小さくSCHWEINのロゴ。これはツアーTではないよなあ。パンツは黒で、伸びる素材で裾がジッパーになっている。ブーツも黒。
今日もオープニングはCrown、いきなりのハードナンバーにみんながんがんのノリ。あっ、今井さんがいきなり上手の端っこに! なになに、凄い張り切ってるじゃん、すっ飛んで行く時の足取りも軽いぞ。そしてドラムがいい! ばっすんばっすん気持ち良く鳴ってる。やっぱりZeppはいいのかな、全体に音の鳴りがいい感じ。
次のLard,Lips,Liquorでだったか、櫻井さんがサングラスをはずすと、はう。きゅっと上がった短めの眉、目もとのメイクはあるのかないのか、眼光鋭くきりりと凛々しく。表情がはっきりしているけど険しい感じはない。今日の櫻井さんは、めちゃめちゃにはじけるというよりは見せる余裕が出てきた感じ。モニターに腰掛け、たばこを吸う仕種をして目を伏せたまま手をちょっとフロアの方に伸ばして、灰を落とすように指をトントン、と。伸ばしたみんなの手は灰皿。そんなパフォーマンスもとても自然で照れがなくて、どんどん楽しくなってくる。シルエットがとにかく細いので、ポーズをとるとぴしっと決まる。ジャケットを片袖だけはずして左肩を見せてレイ氏の方を向いて体を揺らしながら反らしていく、痴れ者のような風情もまたよし。レイ氏の足元に擦り寄り足にしがみついた手を這わせると、レイ氏も手を伸ばして櫻井さんの顔を撫でていく。正面を向いてひざまづいた櫻井さんの背後に立ったレイ氏が櫻井さんの顔を両手で覆うようにしてさすりあげると顎を上げてたっぷりとそれに応える。今日もやってます。
何の曲だったか、自分の立ち位置にいたのがふと思い立ったようにすたすたっと(ストライドが大きいからさっと歩くだけで様になるわ)今井さんの所に行き、後ろから肩をがしっと抱くようにもたれる、と、今井さん、このまま引きずられてなるものかという風に足を踏ん張り、二人でむむむと引っ張り合うことしばし。結局、櫻井さんが引っ張りきれずに今井さんから離れ、なんだ、という感じで笑っている。今井さん、ちゃんとギター弾いてる時だったもんね。櫻井さんは自分のところに戻ってからも今井さんの方を見てちょっと笑ってました。
でも今日の今井さんは動きが多かった。中央に来てモニターに足を掛け「おらおらもっとこいや」とばかりに両手で煽る。Julianのところまで行って二人並んでプレイしたり、上手の端の方にもちょくちょく行ってました。今井さんに限らず、メンバー全員動きが多かったな。Julianも自分から前に出てきてたしArianneも。Bryanに至っては持ち場からぴょーんと飛び出し(文字通り飛んでいた)、そばにいた櫻井さんにしっかと抱きついて一緒に歌ったり。あ、櫻井さんの方から寄って行ってBryanのマイクで一緒に歌ってそのままフェザーキスしたりしてました。
櫻井さん、Arianneのところに行って後ろから彼女の腰に手を添えて二人で揺れたりしていたけど、初めのうちはかなり控えめ。
Porno。今井さんとレイ氏の間あたりでごろんと横になった櫻井さん、そのままの体勢で前に出てきたArianne嬢を迎えて歌い出す。あばらが透けるほど細くて白い体をくねらせながら歌う彼女に少し上体を起こして腹部に顔を寄せて歌う櫻井さん、あとはずっと寝そべったままらしくモニターの陰に隠れて姿は見えず、気づけば違う場所から手だけが現れて彼女と指を絡ませたり。櫻井さんの手がとても細くてまるで女の子同士だ。でも曲はひたすら濃厚に妖しくうねり、とんでもなくエロティックな空気に会場がひたる。
エロティックと言えばレイ氏と櫻井さん、レイ氏の足元にすり寄ってきた櫻井さんの顔を慈しむようにさすりあげるレイ氏、その手に更にねぶねぶと顔を擦りつけレイ氏の腰に手を回す櫻井さん、会場はあてられっぱなしです。
そう言えば今日はいろんなものに当たった。
当たりの1:レイ氏のぶちまけたビールが顔面直撃。目にも入ってしみるしみる。びんからどぼどぼ注いだお酒のしずくもたっぷりかかりました。手で直接受けてしまった人たちは一様に「くさーい!」と嬉しそう。
当たりの2:何の曲だったか、演奏中だったはずなのだがAndrewの投げたスティックが脳天直撃。跳ね返ったスティックは他の人がゲットした模様。
当たりの3:櫻井さんが一口啜って放ったコップが目の前へ。べきべきべき、と凄い音がして気づけば前の人の背中の上に。ひょいとつまんでゲット。割れてるは欠けてるわで大変な様相のコップです。
今日のシアトリカルな雰囲気にはまっていたのがSlip、”こんなに幸せなんだ”と言って見せる櫻井さん、”涙も出やしない”と吐き捨てる櫻井さん、笑って、でも悲惨な感じではなくて、でも切なくて。これは「キラメキの中で…」や「デタラメ野郎」に続く櫻井ソングになるなあという感じ。
今井さんはいつもの脱臼ダンスこそ出なかったけれど、しゃっと腕を延ばしてさっと肘を曲げそのままうりゃうりゃっと腰で踊ったり、くるっと向きを変えてぴたっと止まったり、今井さんなりにかなりノっていた様子。
櫻井さんは時々レイ氏の肩に手をかけ後ろ向きで耳打ちしていたけれど、あれは何を話していたんだろう。
途中、一度だけレイ氏の指に触れたのだけど、意外に細い指でどきっとした。
櫻井さんは今回あまり触らせてくれなかった。ちょっと手を伸ばすとすぐにセキュリティの人たちが寄ってきてみんなを引き剥がしちゃう。もう。一度、Bryanの横のスペースにうつ伏せに寝て頭を触らせてくれてた。やはり触るならこのポイントか。
櫻井さんは四つんばいになったままずりずりと移動したり、何でもありな感じ。最初の方で、下手のスタッフに向かって何やら急かしていると思ったら酒瓶を要求していたのでした、そんなに欲しいか、という感じの急かしっぷりでちょっとおかしかった。
レイ氏はまた酸素を吸っていたそうです、途中ずっと後ろを向いていて曲の出だしぎりぎりでマイクに飛びついた時があったけれどあの時かな。
PIGとSCHAFTの曲の櫻井さんのパートは一部日本語で歌われていて、SCHWEINテイストの言葉のようだけど曲にぴったりはまっている感じで違和感なく聞こえた。やはり、ちゃんとしたメロディがあって、それに詞を書いて歌うのがこの人の天職なのだろうと思った。
レイ氏が自分から櫻井さんに絡みに行くことはあんまりなかったような。外に向かってはいるけれど、基本的に自分の足場をしっかり固めるタイプの人なのかな。
アンコールで登場した櫻井さんは横浜の本編で着ていた肩空き黒ロングジャケット。あの肩の空いている部分はジッパーになっている。背中には小さなSCHWEINのロゴのタグ。やっぱかっこいいなこの衣裳。レイ氏は真っ赤なロングコート。光沢があるので余計に派手だけどレイ氏にはぴったし。
My Fuckin' Valentine、ラスト近くでArianne嬢を両手で高々と抱え挙げるレイ氏、レイ氏を見下ろす
Arianne嬢、バックから柔らかく注ぐ青いライトに照らされて浮かび上がる二人のシルエットに流れる旋律が恋人達のメロディのように聞こえて、切ないような微笑ましいような不思議な気分になる。今までの激しい熱気がすーっと降りていくような印象的なワンシーン。
アンコールの2曲が終わっても、もっともっと聞きたくてずっとコールしていたけれど、これで終演ですというイベンターの人の声にえ〜とがっかりしていたら、ステージを片付けに来た外国のスタッフさんがアンディのスティックを2本手に持って前にやって来て、ほらほらほら、と言わんばかりにみんなを見ながらスティックを揺らして1本ずつ客席に放り投げてくれました。良い人だ。上半身ハダカで演奏中に何度もステージと袖を行ったり来たりしてレイ氏をサポートしていた人だ。ちょっとファンになっちゃったぞ。