■2009年11月8日(日曜日)
昼前、出がけに宅配便がきて、宛て先がうちんちだったので何の気なしに受け取ったんだがよくみたら依頼主が全然知らない人で。あーまた何か懸賞に当たったかなーとこれまた深く考えずに中を開けて見たらスモークチキンのセット。んまあ。でも当選のお知らせも何も入ってないお…なんだこりゃ。
しばらく考えたけど依頼人の名前にはどーにもこーにも心当たりがなくて、昔のバクチク知り合いの人かなとも思ったけどそういう人はオイラの今の住所知らないはずだし。依頼人の住所も名前も電話番号もわかってるからここに連絡してみるしかないかなと思ったけどそれもなんか抵抗あるしで、にんともかんとも。そうこうするうちに時間が迫ってきたんで取りあえずすんごいうまそうな匂いのするスモークチキンズを冷蔵庫に入れて家を出て。
用事というのはこれです、三峯徹20周年トークイベント。あの三峯さんがなんとトークイベントですからね、予約開始日に速攻で予約してすっげー楽しみにしてたんだ。謎のスモークチキンの事はしばし忘れて画伯と共に楽しいひとときを過ごすぞーと。
いやー、このイベント、心温まる本当にいいイベントでした。会場のネイキッドロフトには初めて行ったんだけど、小さい会場ながら立ち見も出る大盛況ぶり。いやはや凄いっす。さすが画伯。伝説の投稿職人とかエロ漫画界の座敷童子やらの通り名は伊達じゃないっつーか誰だって見たいよなこんなイベント。読者投稿20年という偉業に職業マンガ家さんが身銭切ってイベント企画するってのも凄い話ですが、なんたって三峯さんだからなー。そういう有無を言わせぬ力があるんだよな、いや、温かさというか。あのお人柄に触れるとね。
内容の方も実に盛り沢山で、浦嶋さん所蔵(秘蔵)の膨大な三峯徹アーカイブスのお披露目(浦嶋さんのPCがWindows98なのも驚きだ)、シークレットゲストの登場、たくさんのエロマンガ家さん達から三峯さんに贈られた記念色紙の数々とそりゃもう大変な騒ぎ。三峯さんご自身はあまり積極的に自分語りをしないのですが、ぽろっとこぼれるこぼれ話が妙に味わい深いっつーか深いっつーかで、随所に三峯さんのお人柄が溢れ出るハートフルなイベントでしたね。読者投稿というのも色々大変なんだなあ…名前を見ただけでボツにされてしまう”開かず組”なるものがあったとか、雑誌や出版社の方針によっては絶対載らないことになってたりとか、それに対抗すべく別ペンネームで投稿したりという話もありましたが、これにはあの場にいた全員が「あの絵柄じゃなー」とツッコミを入れていたはずだ。そういうところが三峯さん。実は三峯さんの絵は「上達」しているというのも貴重な再発見でしたな。その反面、エロ度や汁度(なんだそりゃ)が落ちているのではないかという指摘もあり、それに「頑張ります」と答える三峯さん。凄いなー。コンビニのエロマンガ雑誌に封印がされるようになってからはなかなか三峯さんの投稿を直に見る事が少なくなってしまいましたが、三峯さんが頑張るならまた買ってみようかな。今のエロマンガ界についていけるのかオイラ。何もついていくこたないんだが。
三峯さんの今後の目標はマンガを描く事と日めくりカレンダーを作る事だそうです。ああ、あのポエムに365日出会えるだなんて考えただけでも癒される。三峯さんのはほんとにポエムだもんなー。あれが抒情というものか。あー抒情文芸の投稿忘れてたお。しまった。
で、太っ腹お土産はなんと三峯さん描き下ろしイラストのエコバッグ。スゲー。これ持ってたらセレブですぜダンナ。ありがたく使わせて頂きます。まずは来週のコミティアだな。
イベント終了後は物販もあってみなさん三峯さんのサインを求めて並んでおいででした。ですよねー。オイラもサイン頂きたかったのですが、前にも頂いてるし人と会う予定もあったので早々に退散させていただきました。いいイベントをありがとうございました。また即売会でお目にかかれますように。
にしても、継続は力とはよく言ったものだなあ。バクチクさんもそうだよねー、ご本人方はどう思っているのかわかりませんが、自分の信じるところに対して素直に無欲に無心に向っていく、その真摯な姿に人は打たれるのですわ。投稿ページを担当されていた編集の方がちょっと口にされてましたが、三峯さんはヘンリー・ダーガーのようになるのではないかと。オイラも常々思っておりましたの。常人から見れば常軌を逸しているとしか思えないのだけれど、そうでなくては届かないものがあるんじゃないかなと。吉増さんもおっしゃってましたしね、普通の事やってたってだめなんだって。危ないところに行かなきゃいけないんだって。軸さえぶれなきゃ振り切ったっていいよな。なんか、勝手にそんな勇気を胸に抱いてみたりして。…差し当たってはその行く先が美少女でべそ蘭なのか…うむ、今は余計な事を考えるまいぞ。
その後、久しぶりに会う人がいて一緒にお食事したのですが、そーいえば今日変な宅急便がきましてねーと話したら「あーそれあたしー」と。え。なんでもクリスマス用にチキンを贈って下さったそうなのですが、なぜかこんな時期に、しかも送り主の名前もなしで届いてしまったようなのですわ。あーびっくりした。にしても凄いタイミングで届いたもんだな。つーかなぜ送り主の名前が違うの。謎は解けても謎だらけでございます。人生は楽しい。DANCE DANCE HA! HA!
■2009年11月23日(月曜日)
妹からみかんが送られてきた。近所の無人販売所にあるひと山100円の無農薬みかんだそうだ。100円のみかん送るのに送料いくらかかるんだと思ったが、しょっちゅう宅配便使ってるおかげで無料券をもらったからそれを使うという。そんならいいか。
箱を開けたら手紙が入っていて、妹が子供の頃によく書いていたお手紙にそっくりで驚いたがこれは姪の作。こんなところまで似るのだから親子というのはまったくもって不思議だ。…てえことは姪は妹のようになるのだろうか。うわあ。それはどうかと思うがもはや阻止のしようがない。君の人生に幸あれ。
久しぶりにバクチク夢を見た。ツアーのリハーサルがあるというので行ってみると(リハーサル?)なんかみなさんすっごいごもごもした衣装で出てきて新曲をいっぱいやった。披露されたタイトルは「ドロボウ」。…いくらあっちゃんのセンスがアレでもこれだけはないな。あ、おしゃれ泥棒ってことか? そんならいいか。
先週の土曜日、望月先生の公演「君と僕のあいだに」を見てきた。ジャック・ブレルの歌をマイムで綴るという試み、シャンソンはわからないし見る前はてんで想像もつかなかったのだが、触れてみると、これがまあなんとも言えずよかった。シャンソンは人生の喜びや悲しみを歌うのだものね。それは望月先生のテーマそのものでもあるんだわ。人生は愛と死。年に一度、望月先生の舞台を見るのは心の贅沢。素敵な舞台をありがとうございます。
翌日曜日はコミティア。前回行った時、のんびりしすぎてお目当てのサークルさんの新刊が軒並み売り切れだったので今回はちょっと早めに。でも、11時過ぎに着いて小一時間で一巡りしたけど、「新刊完売」の告知をどれだけ見た事か。うーむ。それでも結構買い込んでしまって、新たに発掘したサークルさんもどれも激しくツボにはまってしまったので次回もこれ以上買ってしまうのだろうなー。商業マンガ誌は殆ど読まないというのに同人誌はしこたま買うって…なんなんだ。
でも、いつものことだけど、コミティアの参加者はみんなほんとに好きで作ってるんだなあというのが伝わってきて、オイラもいいもの作りたいなあとしみじみ思うのだった。…でべそだけど。